・・・『お前は明後日の学芸会で、何を云ったらいいか考えているだろう。』『うん、実はそうだ。』『そうか、そんなら教えてやろう。あさってお前は養鶏の必要を云うがいい。百姓の家には、こぼれて砂の入った麦や粟や、いらない菜っ葉や何か、たくさん・・・ 宮沢賢治 「茨海小学校」
・・・ 一九三五年に京大におこった瀧川教授事件を動機として「学芸自由同盟」が組織され、一九三六年には小松清によって、その前年の夏、パリに開かれた文化擁護のための「国際作家大会」と、その成果である同じ名の連盟の誕生が紹介された。これは一九三四年・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
・・・すると、いま、名を思い出せないけれども、ある新聞の学芸部の記者の人が、「やア、どうです」 近づいてきながら、大きい声でいった。「感想はいかがです」 わたしは、ゆっくり立ちどまって、挨拶をかえした。「感想って……。私はこれ・・・ 宮本百合子 「ある回想から」
・・・伝記を読むと彼はその官職に就いて辞令をうけた日、従来一個の文学者としての立場からその学芸欄に関係を持っていた諸新聞と、改めて関係を断っている。このような些細なことに現れる不自由は、作家としての彼に闊達な振舞を内面的にも外部的にも拘束しがちで・・・ 宮本百合子 「今日の文学の鳥瞰図」
・・・ 間もなく、去る一月六日から四日間、『報知新聞』の学芸欄に「ジイドの笑いと涙」という題で、『プラウダ』が社説として発表したジイドのソヴェト旅行記批判が、山村房次氏によって訳載された。 その文章は何月何日の『プラウダ』に出たものであっ・・・ 宮本百合子 「ジイドとそのソヴェト旅行記」
・・・ 先頃、朝日新聞の学芸欄に林達夫氏が「日本出版文化協会」の準備部会のような場所で行われた投票の結果について書いておられた。『改造』『中央公論』などという綜合雑誌の発行所がその雑誌の属する第七部とかには出ていないで中央公論社は、『婦人公論・・・ 宮本百合子 「日本文化のために」
出典:青空文庫