・・・の問題は、文学作品の形をとっていたから、文学者たちの注目を集め、批判をうけましたが、ひきつづきいくつかの形で二・二六実記が出て来たし、丹羽文雄の最後の御前会議のルポルタージュ、その他いわゆる「秘史」が続々登場しはじめました。なにしろあの当時・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
一九四九年の春ごろから、ジャーナリズムの上に秘史、実録、実記と銘をうたれた記録ものが登場しはじめた。 氾濫した猥雑な雑誌とその内容はあきられて記録文学、ルポルタージュの特集が新しい流行となった。 記録文学、ノン・フ・・・ 宮本百合子 「ことの真実」
・・・ 万治元戊戌年十二月二日興津弥五右衛門華押 皆々様 この擬書は翁草に拠って作ったのであるが、その外は手近にある徳川実記と野史とを参考したに過ぎない。皆活板本で実記は続国史大系本である。翁草に興津が殉死したのは三・・・ 森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
出典:青空文庫