己達せんと欲して人を達せしむ
《「論語」雍也 (ようや) から》自分が目的を遂げようと思うときは、まず人を助けて目的を遂げさせる。仁ある者は事を行うのに自他の区別をしないことをいう。
己に克ち礼に復る
《「論語」顔淵から》私欲を抑え、人間の踏むべき礼に従って行動する。
己に如かざる者を友とする勿れ
《「論語」学而から》善を求め道を修め、みずからを向上させるためには、自分より劣る者と交わってはならない。
己の欲せざるところは人に施す勿れ
《「論語」顔淵などから》自分が好まないことを他人に無理じいしてはならない。
己を知りうる者は賢者なり
自己を知る者こそ賢い。英国の詩人G=チョーサーの処世訓。
己を責めて人を責めるな
《「東照公遺訓」から》自分の責任でさせたことを、他人のせいにするな。
己を枉げる
《「孟子」万章上から》自分の信念をまげる。節 (せつ) をまげる。「—・げないで生きる」
己を虚しゅうする
《「漢書」五行志上から》私情を捨てて謙虚で素直な気持ちになる。「—◦して人の意見に耳を傾ける」
おのれがお【己顔】
自分だけはという誇らしげな顔つき。得意顔。我は顔。「—に幅をして」〈花袋・春潮〉
おのれと【己と】
[副]自分から。みずから。また、ひとりでに。自然に。「空には星があるが、高い所に—光るのみで」〈漱石・満韓ところどころ〉