年有り
1 稲が豊作である。「—・れば秋の雲なすいな筵かりしく民のたたぬ日ぞなき」〈新勅撰・賀〉 2 年月が経過する。「予、此の人を教ふる事—・り」〈去来抄・同門評〉
年遅し
閏月 (うるうづき) などがあって、季節の到来が例年よりも遅い。「年いと遅き年にて、三日かみの十日ばかり花ざかりなる」〈宇津保・国譲下〉
年が明ける
新しい年が始まる。新年となる。
年が改まる
1 新年になる。「政局混迷のまま—・る」《季 新年》 2 年号が変わる。改元する。
年が行く
1 年を取る。「彼は私よりも—・っている」 2 1年が終わろうとする。
年が返る
新年になる。年が改まる。「あらたまの年返るまで相見ねば」〈万・三九七九〉
年が替わる
1 新年になる。年が改まる。《季 新年》 2 年号が変わる。改元する。
年が積もる
老年になる。「あまり年つもりなば、その御心ばへもつひに衰へなむ」〈源・若菜下〉
年が年
かなりの高齢であること。相当の年齢。「—だから無理がきかない」
年寒くして松柏の凋むに後るるを知る
《「論語」子罕 (しかん) から》寒い冬にこそ、他の植物がしおれても、松や柏 (このてがしわ) は緑を保っていることがわかる。人の真価は艱難 (かんなん) にあって初めて知られるたとえ。