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・・・ 若旦那がいい声で、夢が、浮世か、うき世が夢か、夢ちょう里に住みながら、住めば住むなる世の中に、よしあしびきの大和路や、壺坂の片ほとり土佐町に、沢市という座頭あり。……妻のお里はすこやかに、夫の手助け賃仕事…… とや・・・
泉鏡花
「開扉一妖帖」
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・・・傍ら作曲し、その研究と普及に一生涯を捧げた。座頭の位階を返却す。検校の位階を固辞す。金銭だに納付せば位階は容易に得べき当時の風習をきたなきものに思い、位階は金銭を以て購うべきものにあらずとて、死ぬるまで一勾当の身上にて足れりとした。天保十一・・・
太宰治
「盲人独笑」