・・・一朝、生活にことやぶれ、万事窮したる揚句の果には、耳をつんざく音と共に、わが身は、酒井真人と同じく、「文芸放談」。どころか、「文芸糞談」。という雑誌を身の生業として、石にかじりついても、生きのびて行くやも知れぬ。秀才、はざま貫一、勉学を廃止・・・ 太宰治 「もの思う葦」
・・・印象批評と放談のうちに、ジャーナリズムと読者とに対するある種のデモンストレーションが行われ、批評は個々人の印象批評にとどまった。よかれ、あしかれ、日本の民主主義文学の運動にふれたり、それをまともに論議したりすることは、語り手自身のファッショ・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
一 東京新聞七月三十一日号に、火野葦平の「文芸放談」第二回がのっている。「同人雑誌の活溌化」がトピックである。 このごろの出版不況で、文芸雑誌のいくつかが廃刊した。そして、雑誌を廃刊し、また経・・・ 宮本百合子 「しかし昔にはかえらない」
・・・そして、人間は理性あるものであって、ある状況のもとでは清潔な怒りを発するものであるということを見ないふりして益々高声に放談する文学であった。 読者は、黙ってはいても、判断しているのだ。そのおそろしさが、批評の精神に閃いていい。わたしたち・・・ 宮本百合子 「「下じき」の問題」
・・・2、吉田首相は「放談」ぐせがつきすぎました。タイコモチにばかりかこまれて、半面自分自身のホーカン性によって。3、南原総長の抗議を支持します。4、南原氏を抑えても、生きている人間の理性と税をはらって役人を生活させている人民の判断は・・・ 宮本百合子 「戦争・平和・曲学阿世」
出典:青空文庫