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・・・ ……根太の抜けた、荒寺の庫裡に、炉の縁で。…… 三 西明寺――もとこの寺は、松平氏が旧領石州から奉搬の伝来で、土地の町村に檀家がない。従って盆暮のつけ届け、早い話がおとむらい一つない。如法の貧地で、堂も庫裡・・・
泉鏡花
「燈明之巻」
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・・・ 床下の通風をよくして土台の腐朽を防ぐのは温湿の気候に絶対必要で、これを無視して造った文化住宅は数年で根太が腐るのに、田舎の旧家には百年の家が平気で立っている。ひさしと縁側を設けて日射と雨雪を遠ざけたりしているのでも日本の気候に適応した・・・
寺田寅彦
「日本人の自然観」