ははきぎ【箒木/帚木】
1 ホウキギの別名。《季 夏》 2 信濃(長野県)の園原 (そのはら) にあって、遠くからはあるように見え、近づくと消えてしまうという、ほうきに似た伝説上の木。転じて、情があるように見えて実のないこと、また、姿は見えるのに会えないことなどのたとえ。「園原や伏せ屋に生ふる—のありとは見えて逢はぬ君かな」〈新古今・恋一〉 3 《語頭の2音が同音であるところから》母の意にかけて用いる。「大后の宮…日の本には—と立ち栄えおはしまして」〈栄花・駒競べの行幸〉 (帚木)源氏物語第2巻の巻名。光源氏17歳。源氏の、友人たちとの雨夜の品定めや、空蝉 (うつせみ) との恋の前半部を描く。 (帚木)短歌雑誌。昭和5年(1930)、吉沢義則の主宰により創刊。
ははきぐさ【箒草】
ホウキギの別名。《季 夏》「いつの間に壁にかかりし—/[下接句]虚子」
ははきぼし【箒星】
「ほうきぼし」に同じ。「長き星南の方に見ゆ。時の人—といふ」〈舒明紀〉
ははきもち【箒持ち】
古代、葬送のとき、墓所を掃き清めるためのほうきを持つ者。