きのいらつめ【紀女郎】
奈良中期の万葉歌人。名は小鹿 (おしか) 。安貴王 (あきのおおきみ) の妻。大伴家持 (おおとものやかもち) との贈答歌で知られる。生没年未詳。
きのかいおん【紀海音】
[1663〜1742]江戸中期の浄瑠璃作者。大坂の人。通称、榎並 (えなみ) 喜右衛門。豊竹 (とよたけ) 座の座付作者として竹本座の近松門左衛門に対抗。作「椀久末松山 (わんきゅうすえのまつやま) 」「お染久松袂 (たもと) の白しぼり」「八百屋お七」など。
きのつらゆき【紀貫之】
[870ころ〜945ころ]平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。大内記・土佐守 (とさのかみ) などを歴任。紀友則 (きのとものり) ・凡河内躬恒 (おおしこうちのみつね) ・壬生忠岑 (みぶのただみね) と古今集の撰にあたり、仮名序を書いた。著「土佐日記」、家集「貫之集」など。 大岡信の評論。昭和46年(1971)刊。「土左日記」の著者であるの、フィクション作家としての才能をひもとく。第23回読売文学賞評論・伝記賞受賞。
きのときぶみ【紀時文】
平安中期の歌人。貫之 (つらゆき) の子。梨壺 (なしつぼ) の五人の一人。村上天皇の勅により万葉集の訓釈を行い、また後撰集を撰進。生没年未詳。
きのとものり【紀友則】
平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。大内記に至る。紀貫之 (きのつらゆき) らと古今集を撰進。家集「友則集」。生没年未詳。
きのないし【紀内侍】
平安中期の歌人。貫之 (つらゆき) の娘。鶯宿梅 (おうしゅくばい) の故事で有名。紅梅の内侍。生没年未詳。
きのはせお【紀長谷雄】
[845〜912]平安前期の漢学者。通称、紀納言。文章博士・大学頭。菅原道真に学び、藤原時平らと「延喜格」の編纂 (へんさん) にあたった。漢詩文集「紀家集」がある。
きのよしもち【紀淑望】
[?〜919]平安前期の歌人・漢学者。長谷雄 (はせお) の子。大学頭・信濃権守 (しなののごんのかみ) 。古今集真名序の作者といわれる。