耳を打つ
1 強く耳にひびく。「雨の音が—・つ」 2 耳打ちをする。「たしかに見届けおいたゆゑ其方 (そち) に今—・つ」〈浮・娘気質・三〉
耳を掩いて鐘を盗む
《「呂氏春秋」自知の故事から》鳴るのを人に聞かれまいとして自分の耳をふさいで鐘を盗む。良心に反する行為をしながら、そのことを考えないように努めること。また、自分の悪事を人に知られないようにしたと思っていても、知れ渡っているたとえ。耳を掩いて鈴を盗む。
耳を掩いて鈴を盗む
⇒耳を掩いて鐘を盗む
耳を貸す
人のいうことを聞く。また、相談にのってやる。「忠告に—・そうとしない」
耳を傾ける
注意して聞く。熱心に聞く。「老師の講話に—・ける」
耳を聞く
うわさ・評判などが耳に入る。「中にらうたしと思ひし物をしも、出し立てて、かかる—・くこと」〈宇津保・蔵開下〉
耳を信じて目を疑う
人の言ったことを信じて、自分の目で見たことは信じない。遠くのことをありがたがって近くのことを軽んじる。「—・ふは、俗の常の弊なり」〈平家・三〉
耳を滌ぐ
「耳を洗う」に同じ。
耳を澄ます
聞こうとして注意を集中する。耳をそばだてる。「—・して鳥の声を聞く」
耳を攲てる
「耳を澄ます」に同じ。「内緒話に—・てる」