なわしろいちご【苗代苺】
バラ科の落葉小低木。原野に生え、茎ははうように伸び、小さなとげがある。夏の苗代のころ、淡紅紫色の花を開くと球形の実が深赤色に熟し、食用。さつきいちご。《季 夏 花=春》「よく熟 (う) れて—向ふ岸/圭岳」
なわしろおとこ【苗代男】
⇒苗標 (なえじるし)
なわしろぐみ【苗代茱萸】
グミ科の常緑低木。暖地の山野に自生。枝はとげ状になり、葉は長楕円形で縁が波うつ。秋、白い花が垂れて咲き、実は翌年の田植えのころに赤く熟し、食用となる。はるぐみ。《季 夏 花=春》「小女の—に口染る/青々」
なわしろだ【苗代田】
「苗代」に同じ。
なわしろどき【苗代時】
苗代に水を引いて、種もみをまく時期。苗代を仕立てる時期。《季 春》「市中や—の鯰 (なまづ) 売/子規」
なわしろみず【苗代水】
苗代に注ぎ入れる水。《季 春》「ゆたかなる—の門辺かな/たかし」