言通う
言葉が通じる。思いが通じる。「まれにも—・ひ給ふべき御あたりをも、さらに馴れ給はず」〈源・蓬生〉
言加う
1 口添えする。助言する。「男 (をのこ) は—・へさぶらふべきにもあらず」〈枕・二三〉 2 唱和する。声を合わせる。「主のおとども—・へ給ふ」〈源・胡蝶〉
言絶ゆ
1 (ふつう「ことたえて」の形で副詞的に用いる)言語に絶する。「生ける代に我はいまだ見ず—・えてかくおもしろく縫へる袋は」〈万・七四六〉 2 言葉を交わし合うことがなくなる。交際が絶える。「—・えて、二十余日 (はつかよか) になりぬ」〈かげろふ・中〉
言告ぐ
言葉を伝える。人を介して言い知らせる。「故郷 (ふるさと) のならしの岡のほととぎす—・げやりしいかに告げきや」〈万・一五〇六〉
言成す
口やかましくうわさする。言いはやす。「大和の宇陀の真赤土 (まはに) のさ丹 (に) つかばそこもか人の我 (わ) を—・さむ」〈万・一三七六〉
言に出ず
言葉に出す。はっきりと口に出す。「—・でて言はばゆゆしみ朝顔のほには咲き出ぬ恋はするかも」〈万・二二七五〉
言も疎か
言うまでもないが。言わずと知れたことだが。もちろん。「—や、清和天皇十代の御末、鎌倉殿の御弟、九郎大夫判官殿ぞかし」〈平家・一一〉
言悖りて出ずればまた悖りて入る
《「礼記」大学から》他人に向かって道理に反した言葉を言えば、他人から道理に反した言葉で報いられる。