ざいせいとうゆうし【財政投融資】
国が政策目的を推進するため、財政政策の一環として行う投資および融資。社会資本整備や政策金融などの分野に投入される。毎年度、財政投融資計画にまとめられ、財政融資資金・産業投資特別会計・政府保証債および政府保証借入金を原資として、特別会計・政府金融機関・独立行政法人・特殊会社・地方公共団体などが運用対象になっている。また、財政融資資金による国債引き受けも財政投融資に含まれる。財投。
ざいせいとうゆうしとくべつかいけい【財政投融資特別会計】
財政融資資金の運用、および産業開発・貿易振興を目的として国の財政資金で行う投資に関する経理を明確にするために設置された特別会計。長期低利での貸付を通じて、中小零細企業や教育・社会福祉などの分野に貢献するとともに、公益性が高く民間では十分にリスクを負えない分野を対象に政策的に投資資金を配分することにより、財政資源配分の機能を果たしている。財政融資資金は運用収入・財投債を主な歳入とし、産業投資は保有するNTT株・JT株の配当金や日本政策金融公庫の国庫納付金を主な歳入としている。平成18年(2006)施行の「行政改革推進法」および平成19年(2007)施行の「特別会計に関する法律」により、産業投資特別会計産業投資勘定が財政融資資金特別会計に移管され、名称が財政投融資特別会計と改められた。財投特会。財政特会。 [補説]平成20年度(2008)政府予算案作成時に外国為替資金・財政融資資金などの特別会計に計上されている準備金(積立金)が、「霞が関埋蔵金」(大きな財源が眠っている、という意味)として話題になった。平成21年度(2009)予算では、財政投融資特別会計の積立金が取り崩され、景気対策の一環である定額給付金の財源にも当てられた。
ざいせいとっかい【財政特会】
「財政投融資特別会計」の略。
ざいせいはん【財政犯】
行政犯の一。財政法上の義務に違反する罪。不正行為によって納税義務を免れる逋脱 (ほだつ) 犯と、申告義務に違反するなどの財政秩序犯とがある。
ざいせいほう【財政法】
1 国または地方公共団体の財政に関する法規の総称。各種の租税法をはじめ、財政法2 ・会計法・国有財産法・地方財政法など。 2 国の財政に関する基本を定める法律。財政総則・会計区分・予算・決算・雑則の5章からなる。昭和22年(1947)施行。
ざいせいみんしゅしゅぎ【財政民主主義】
国家が財政活動(支出や課税)を行う際は、国民の代表で構成される国会での議決が必要であるという考え方。日本では日本国憲法第83条が主たる根拠とされ、これに基づいて、予算の審議や課税に関する法律の議決は国会で行われる。
ざいせいゆうししきん【財政融資資金】
財政融資資金法に基づき、政府が財投債の発行により金融市場から調達した資金等。特別会計・政府金融機関・独立行政法人・特殊会社・地方公共団体などの事業に供給される。財務大臣が管理・運用を行う。平成13年(2001)に廃止された旧大蔵省資金運用部にかわって財政投融資制度の中核を担う。→財政投融資特別会計
ざいせいゆうししきんとくべつかいけい【財政融資資金特別会計】
社会資本整備や中小企業への融資など国の施策による事業を行う地方公共団体や銀行などへの融資を目的とする財政融資資金を一般会計から区別して管理するために設置された会計。財務省が管理する特別会計の一。資金は主として財投債の発行により金融市場から調達し、長期・低利などの有利な条件で支援先の財投機関に融資される。 [補説]以前は資金運用部特別会計とよばれていたが、財政投融資改革を機に平成13年度(2001)から平成19年度(2007)までの間、財政融資資金特別会計となった。平成20年度(2008)からは平成19年(2007)施行の「特別会計に関する法律」に基づいて財政投融資特別会計と名称が変更されている。
ざいせいゆうししきんとくべつかいけいこくさい【財政融資資金特別会計国債】
財政投融資特別会計国債(財投債)の旧称。
ざいせいきりつ【財政規律】
国や地方公共団体において財政が秩序正しく運営され、歳入と歳出のバランスが保たれていること。または、そのための規範や数値目標など。 [補説]金融危機の影響などから、日本を含む各国で国債発行残高が増加し、財政規律の重要性が指摘されている。そのため、国債発行を抑制し、歳出を削減して財政収支の均衡を図ることが求められている。