・・・「文学の道場として、また文壇への登龍門として、同人雑誌の貴重さに及ぶものはない。」「先輩たちは」「そこで骨身をけずる修業をした。」「そして老舗となる素地を蓄えたのである」「戦後のハッタリ精神とヤミの没落は文学の面でも象徴的であった」火野葦平・・・ 宮本百合子 「しかし昔にはかえらない」
・・・「なるほど、茶法の極意を和敬清寂と利休のいったのに対して、それを延して、人に見せるがためにあらず自己の心法を観ずる道場なりと変化さし得て今に至ったことは、ここに何事か錯乱を妨ぐ精神生活者の高い秘密がある」と直覚した久内に、全く賛同しているの・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
・・・と、東北における農民の窮乏根治策のために「農村真理道場」というのをそういう地方に設けようとする広告を発表しているのである。そして、自分が骨を折って若い男女の冬期間だけの出稼ぎを援助し、「村民の気分を作興して」例えば娘の身売りを平気でさせる「・・・ 宮本百合子 「村からの娘」
・・・、より高い生活を求めて「道場」にはいった多くの僧侶において、一層著しかったに相違ない。 当時の寺院は恐らくすべての点から見て文化の宝蔵であった。そこにはただ修道と鍛練との精進生活があったばかりではない。むしろあらゆる学問、美術、教養など・・・ 和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
出典:青空文庫