・・・ 舞踊会の「アパッシュの歌」とその画面は自分にはあまりおもしろくなかった。何かが一つ足りないような気がする。どこかに無理があるであろう。 仕立て屋だということがわかってからの「ナッシンバッタテーラ」の繰り返しもわりにおもしろくできて・・・ 寺田寅彦 「音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」
・・・冷たい、理知だけの操作でない、対象との人間らしい共感においての観察という点の強調が、虫に頬かぶりをさせたり、草叢のアパッシュたらしめたりした。ファブルの伝記者は、アナトール・フランスがファブルの文章は悪文であると云ったということをおこってい・・・ 宮本百合子 「作家のみた科学者の文学的活動」
出典:青空文庫