いちじいっく【一字一句】
一つの文字と一つの語句。わずかな字句。「—違わない盗作」
いちじいっせききょう【一字一石経】
経文を墨または朱で、小石一つに1字ずつ書き写したもの。先祖などの冥福を祈って地中に埋める。→経石 (きょういし)
いちじがき【一字書(き)】
1 1枚の紙に1字ずつ書くこと。 2 字体をくずして、一筆に書きくだすこと。続け書き。一筆 (いっぴつ) 書き。
いちじきんりん【一字金輪】
密教で、大日如来が最高の境地に入って説いた真言である(梵bhrūṃで、勃嚕唵 (ぼろん) と音写)の一字を人格化した仏頂尊。像は結跏趺坐 (けっかふざ) して手に印を結ぶ姿に表される。
いちじごめん【一字御免】
家臣が主君から諱 (いみな) の一字を賜って、自分の名に用いること。室町・戦国時代に盛行した。一字拝領。
いちじさんらい【一字三礼】
写経するとき、1字を書くごとに三度礼拝すること。平安末期から鎌倉時代にかけて行われた。「法花経—に書かせ給ひて」〈増鏡・浦千鳥〉
いちじじょう【一字状】
一字御免の旨を記した文書。一字書出 (かきだし) 。
いちじせんきん【一字千金】
《秦の呂不韋 (りょふい) が「呂氏春秋」を著した時、それを咸陽 (かんよう) の城門に置き、1字でも添削できた者には千金を与えようと言ったという、「史記」呂不韋伝の故事から》 1 非常にすぐれている文章や筆跡。 2 たとえようのない厚い恩恵。「—のことわり、師匠の恩は七百歳と説かれたり」〈伽・御曹子島渡〉
いちじだい【一字題】
1 和歌・連歌・俳諧などの題で、漢字1字のもの。雪・月・花などの類。 2 雑俳の一。漢字1字を前句の題として17字の句を付けるもの。
いちじのし【一字の師】
《鄭谷 (ていこく) が、斉己 (さいき) の詩の語句「数枝開く」の一字を改めて「一枝開く」としたので、斉己は庭に降りて鄭谷を拝したという、「唐詩紀事」に見える故事から》詩文などを指導してくれた師。