ひとえうめ【一重梅】
1 花が単弁の梅。 2 襲 (かさね) の色目の名。表は白、裏は紅。雪の下紅梅。
ひとえおび【単帯/一重帯】
裏をつけない帯。主に女帯で夏季用。太糸で地厚に堅く織り上げた博多織・つづれ織りなどを用いる。《季 夏》「たてとほす男嫌ひの—/久女」
ひとえがさね【単襲】
裏をつけずに、袖口・裾などの縁 (へり) を撚 (よ) って仕立てた単衣 (ひとえぎぬ) を数枚重ねること。女性が夏季に用いた。
ひとえぎぬ【単衣】
公家男女の装束の下に肌着として用いた裏のない衣。平安末期に小袖肌着を着用するようになると、その上に重ねて着た。地質は主に綾や平絹で、綾の文様は菱 (ひし) 、色は紅・白・青など。
ひとえぐさ【一重草】
ヒトエグサ科の緑藻。浅い海岸の岩上に生え、全体に黄緑色で薄く、ほぼ円形をし、縁は波打つ。汁の実や佃煮にする。ひとえあおさ。
ひとえざくら【一重桜】
花が単弁の桜。
ひとえばおり【単羽織】
裏をつけない夏用の羽織。《季 夏》「身にからむ—も浮世かな/其角」
ひとえばかま【単袴】
裏をつけない袴。
ひとえまぶた【一重瞼】
上まぶたに横ひだがない、一重のまぶた。
ひとえもの【単物】
1 裏をつけずに仕立てた和服類の総称。特に、裏をつけない長着。初夏から初秋にかけて着る。《季 夏》「地下鉄の青きシートや—/汀女」 2 室町時代、素襖 (すおう) の直垂 (ひたたれ) をいった語。