くじかた【公事方】
江戸時代、勘定奉行およびその属僚のうち、司法・警察を分掌したもの。
くじし【公事師】
江戸時代、当事者に代わって訴訟を進めたり、手続きを指導したりすることを業としていた者。種々の弊害を生じたため、幕府はこれを禁止した。出入り師。
くじしょ【公事所】
昔、訴訟を取り扱い、それを裁いた所。今の裁判所にあたる。公事場。
くじだくみ【公事工】
[名・形動ナリ] 1 何事も訴訟によって解決しようとすること。特に、自分の利益のために理屈をつけて訴訟を起こすこと。「ことさら—して、筋なき事を書き求め」〈浮・織留・三〉 2 いろいろ理屈を言い張るのがうまいこと。また、そのさま。「—なる女、うすき唇を動かし」〈浮・永代蔵・五〉
くじば【公事場】
⇒公事所 (くじしょ)
くじび【公事日】
訴訟裁判が行われる日。「今度の—に、両人ともに参りませい」〈狂言記・内沙汰〉
くじぶぎょうにん【公事奉行人】
鎌倉幕府の職名。政務を奉行した恩沢奉行 (おんたくぶぎょう) ・国奉行などの諸奉行の総称。公事奉行。
くじぶみ【公事文】
1 室町時代、将軍の用事を書いた手紙。 2 訴訟の文書。
くじや【公事家】
中世後期、公事の徴収単位となった有力農民。近世初期の本百姓にあたる。役屋。
くじやど【公事宿】
江戸時代、訴訟や裁判のために地方から江戸や大坂に出てきた人を宿泊させた宿屋。宿の主人は訴訟人の依頼をうけて訴訟行為を補佐することを公認されていた。公事人宿。出入り宿。郷宿 (ごうやど) 。