・・・たとえば、ドニェプルの大発電所は、第一次五ヵ年計画時代の全ソヴェト人にとってじつに愛着と誇りの象徴であったが、ナチス軍がドニェプル地区に侵略してくる危険が迫ったとき、大発電所はそれを建設した労働者の手によって破壊された。その記事を新聞でよん・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・このPTAの成功は、文教地区を道徳的に清潔に保つことを政府に理解させた。このPTAの親たちは、みんな子供の将来について、人間らしい豊かさ、正しく生きる者を育てたいという希望を抱いている人々である。親としてのそういう希望が、まちがっていないこ・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・で、工場に属さずに地区的になっている。 この「大クラブ」は産別は違っても、その地区の住民――勿論労働者だ――は利用することが出来る。例えばある地区に大きな金属産業の「クラブ」があるとすると、その地区に住んでいる繊維の労働者もこれを利用す・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの「労働者クラブ」」
神奈川県足柄郡下足柄村十三部落 演習中の野宿反対 人家に迷惑をかけず宿やにとめろ 宿舎のない演習なんかやめたがいいんだ。○江東地区の一人、暗闇夜、自転車をとばして地区のデンタンを電車・乗合自動車のうしろ・・・ 宮本百合子 「大衆闘争についてのノート」
・・・地図の上で指されるそれらの地区は本郷区のぐるりのどこかに隣接してはいてもうちのある林町界隈までは距っていた。心配は直接本郷あたりが襲撃されることではなくて、思いがけず大規模の被害が生じたときその真中に安全な本郷、またはこの辺が、逃げ場のない・・・ 宮本百合子 「田端の汽車そのほか」
・・・ 三月号『改造』に同志小林は「地区の人々」という小説を発表している。 この小説は、革命的伝統をもった北海道の労働者街の人々が、再び「戦争と革命の時期」である今日、抑圧から立ち直ってプロレタリアートの組織をつくることを書いたもので・・・ 宮本百合子 「同志小林多喜二の業績」
・・・三月号『改造』にのった同志小林の小説「地区の人々」の読後、杉山氏はその作品を「下降的」なものと感じ、この感想を洩らしているのである。果して実際そうであろうか? 成程「地区の人々」は終りになればなるほど小説としての具象性を描写の上に失・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価によせて」
・・・「蟹工船」「不在地主」「工場細胞」「オルグ」「沼尻村」その他最近の「党生活者」「地区の人々」に至るまで精力的に発表された諸作品は、どれをとっても、それぞれの時期におけるプロレタリアートの課題を自身の課題として反映したものであり、何かの意味で・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・「レーニン主義共産青年同盟」「地区委員会」「全同盟共産党・ボルシェビキ」とそれぞれ高く入口に札をかかげた部屋部屋だ。その先に図書室がつづいている。ドミトロフ君が静にドアをあけたところから内部を見ると、中央の大テーブルをかこんでいろいろの雑誌・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
・・・東京で麹町と江東地区との生活にちがいがあるとおりである。 一九一〇年といえば、日本の明治四十三年、いわゆる「大逆事件」で幸徳秋水以下三十余名の人々が検挙され、ファーブルの『昆虫の社会』という本まで社会という字がついていると云って発禁され・・・ 宮本百合子 「婦人デーとひな祭」
出典:青空文庫