・・・各国家が何処までも他を従えることによって、自己自身を強大にすることが歴史的使命と考えた。そこには未だ国家の世界史的使命の自覚というものに至らなかった。国家に世界史的使命の自覚なく、単なる帝国主義の立場に立つかぎり、又逆にその半面に、階級闘争・・・ 西田幾多郎 「世界新秩序の原理」
・・・本当に安心して生産に従える。 また生活の安定ということに対しては、ソヴェトの社会主義を建設してゆこうという方向に自分も賛成で、そして忠実な勤人であり、或は労働者であるならば、日本の何よりも安定である。それは個人関係で保護されているのでは・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・それは単に肉体の一部分であるのではなく、肉体を己れに従える主体的なるものの座、すなわち人格の座にほかならない。 ここまで考えて来ると我々はおのずから persona を連想せざるを得ない。この語はもと劇に用いられる面を意味した。それが転・・・ 和辻哲郎 「面とペルソナ」
出典:青空文庫