・・・山科や円山の謀議の昔を思い返せば、当時の苦衷が再び心の中によみ返って来る。――しかし、もうすべては行く処へ行きついた。 もし、まだ片のつかないものがあるとすれば、それは一党四十七人に対する、公儀の御沙汰だけである。が、その御沙汰があるの・・・ 芥川竜之介 「或日の大石内蔵助」
・・・政策として、平和のための強国間の協力、アメリカの公務員法案であるタフト・ハートレー法の撤廃、物価の引下げ、人種的差別の撤廃その他を主張して当選したとき、日本では全人民の生活を破壊したさきの侵略戦争共同謀議者二十五名の判決公判が開かれたのであ・・・ 宮本百合子 「新しい潮」
・・・横谷、外山そのほか四人も五人もが、謀議に参加したと本人がのべていると「何日も何日も、くりかえしくりかえし夜おそくまでせめたてましたので、私は、絶対にそれらの人たちと一緒にやった事実はなく、田中検事さんの取調べは、強引で、謀議一方におしつけよ・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・つい先頃のことだったのに、きのうは、日本のすべての新聞が戦争謀議責任者の家族のインターヴューをのせています。これはどういうことを意味するでしょうか。それは結局東條は死んだのではないということをいい得るだけの社会的基盤がまだあることを家族の人・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
出典:青空文庫