・・・宮本百合子選集第一巻、同第三巻。新しい婦人と生活。真実に生きた女性たち。婦人と文学。一九四八年中心的な執筆は、小説「道標」である。民主的文学の分野には、昨年末から批評と創作の協力的前進の問題が起っており、勤労者の・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・新日本文学会は勤労者文学選集二冊、新日本詩集三冊、新しい小説集三冊を刊行することができた。 一九四八年十二月に東條をはじめとする戦争首謀者たちの処刑が行われ、その犠牲において児玉誉士夫のようなファシズム文化の運動に関係ある日本のファシス・・・ 宮本百合子 「婦人作家」
・・・ 後記 一九四九年四月。選集第十巻に収録するためにこの文章をよみかえした。そして、作者と読者とのためにこんにちでは、短い附記の必要を感じた。川端康成は一九一四年ころから作品をかきはじめ、一九二二年「伊豆の踊子」によって、独特・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・ 若きヴェルテルの悩みや名家選集をもって、藍子は二年の間尾世川に教えて貰ったと云うより寧ろ教えさせて来たのであった。 三月の第一火曜日の午後、藍子は小日向町へ出かけて行った。尾世川が牛込の方から此方へ越して来てから、藍子も、同じ・・・ 宮本百合子 「帆」
・・・例えば、一九二二年に楠山正雄氏とシュニツレル選集を編輯してその印税の全部を敗戦国の老文豪に送ったことも、単に山本氏が独文出身だからというだけの内面の動機ではないであろう。戯曲家としての氏が、自作の上演に当って劇場側の態度がわるい場合、勝手に・・・ 宮本百合子 「山本有三氏の境地」
・・・と作者が自分の父母の生涯を描いた二冊の作品とを代表選集として売り出している。 既刊の五冊を読んだ感想として、パール・バックが中国の生活を描いたこれらの作品は、とくに今日の日本の読者にはぜひ熟読されるべき性質のものであるという感が深い。パ・・・ 宮本百合子 「若い婦人のための書棚」
出典:青空文庫