どう‐きゅう〔‐キフ〕【同級】例文一覧 17件

  1. ・・・僕はそこへ二、三人の同級の友達と通って行った。清水昌彦もその一人だった。「僕は誰にもわかるまいと思って水の中でウンコをしたら、すぐに浮いたんでびっくりしてしまった。ウンコは水よりも軽いもんなんだね」 こういうことを話した清水も海軍将・・・<芥川竜之介「追憶」青空文庫>
  2. ・・・同室同級の藤岡蔵六も、やはり謹厳の士なりしが、これは謹厳すぎる憾なきにあらず。「待合のフンクティオネンは何だね?」などと屡僕を困らせしものはこの藤岡蔵六なり。藤岡にはコオエンの学説よりも、待合の方が難解なりしならん。恒藤はそんな事を知らざる・・・<芥川竜之介「恒藤恭氏」青空文庫>
  3. ・・・ところが同級の生徒と比べて非常に何も彼も出来ないので、とうとう八級へ落されて仕舞った。下等八級には九つだの十だのという大きい小供は居なかったので、大きい体で小さい小供の中に交ぜられたのは小供心にも大に恥しく思って、家へ帰っても知らせずに居た・・・<幸田露伴「少年時代」青空文庫>
  4. ・・・と相川は布施の方を指して、「布施君――矢張青木君と同級です」 布施は髪を見事に分けていた。男らしいうちにも愛嬌のある物の言振で、「私は中学校に居る時代から原先生のものを愛読しました」「この布施君は永田君に習った人なんです」と相川は原・・・<島崎藤村「並木」青空文庫>
  5. ・・・A君は、私と中学校同級であった。画家である。或る宴会で、これも十年ぶりくらいで、ひょいと顔を合せ、大いに私は興奮した。私が中学校の三年のとき、或る悪質の教師が、生徒を罰して得意顔の瞬間、私は、その教師に軽蔑をこめた大拍手を送った。たまったも・・・<太宰治「酒ぎらい」青空文庫>
  6. ・・・ 中学四年頃のことであったかと思う。同級のI君が脚気で亡くなったので、われわれ数人の親しかった連中でその葬式に行った。南国の真夏の暑い盛りであった。町から東のO村まで二里ばかりの、樹蔭一つない稲田の中の田圃道を歩いて行った。向うへ着いた・・・<寺田寅彦「さまよえるユダヤ人の手記より」青空文庫>
  7. ・・・この紙屋というのは竹村君と同郷のもので、主人とは昔中学校で同級に居た事がある。いつか偶然に出くわしてからは通りがかりに声を掛けていたが、この頃では寄るとゆるゆる店先へ腰を下ろして無駄話をして行く。主人の妹で十九になる娘が居て店の奥の方でちら・・・<寺田寅彦「まじょりか皿」青空文庫>
  8. ・・・ 母親は、三吉と小学校で同級だった町の青年たちの名をあげて、くりごとをはじめる。早婚な地方の世間ていもあるだろうが、何よりも早く倅の尻におもしをくっつけたい願望がろこつにでていた。「――牛は牛づれという。竹びしゃく作りには竹びしゃく・・・<徳永直「白い道」青空文庫>
  9. ・・・まだ病気にならぬ頃、わたくしは同級の友達と連立って、神保町の角にあった中西屋という書店に行き、それらの雑誌を買った事だけは覚えているが、記事については何一つ記憶しているものはない。中西屋の店先にはその頃武蔵屋から発行した近松の浄瑠璃、西鶴の・・・<永井荷風「十六、七のころ」青空文庫>
  10. ・・・山田美妙斎とは同級だったが、格別心やすうもしなかった。正岡とはその時分から友人になった。いっしょに俳句もやった。正岡は僕よりももっと変人で、いつも気に入らぬやつとは一語も話さない。孤峭なおもしろい男だった。どうした拍子か僕が正岡の気にいった・・・<夏目漱石「僕の昔」青空文庫>
  11. ・・・ジョバンニの同級の子供らだったのです。ジョバンニは思わずどきっとして戻ろうとしましたが、思い直して、一そう勢よくそっちへ歩いて行きました。「川へ行くの。」ジョバンニが云おうとして、少しのどがつまったように思ったとき、「ジョバンニ、ら・・・<宮沢賢治「銀河鉄道の夜」青空文庫>
  12. ・・・そして、そういう思いは、わたしと同級生であった誰彼のひとたちが、もしその雑誌をよむとしたら、やっぱり同じように感じる思いではなかろうかと思う。なぜなら、随分久しい間、わたしは、自分が少女時代の五年間を暮した学校と縁がきれていた。ざっと十年以・・・<宮本百合子「歳月」青空文庫>
  13. ・・・ 東洋大学で同級であった男と同棲、子供、震災、京都の日活の用で、男京都に居るうち、友達にだまされて無一文、やどで、ひどいあつかい。 製畳機を作る店の月報を出すことを、宿やの主人とその家の主とできめ、月給二人の細君連で相談して四十五円・・・<宮本百合子「一九二五年より一九二七年一月まで」青空文庫>
  14. ・・・ 差出人は、同級会幹事の誰それとしてあり、宛名は、まぎれもない自分だ。けれども、内容がはっきり心に写らない。文句は、深田様がお産で去月何日死去されましたから、御悔みのしるしに何か皆で買ってあげたい、一円以上三円位まで御送り下さい、という・・・<宮本百合子「追想」青空文庫>
  15. ・・・私と同級の一人の友達は、いつの間にか、それと寸分違わないもう一つの水色襷を作った。そして、何気なく体操や何かの時、ふっさり結んで肩につける。 ところが或る日、担任の先生から、「近頃、誰の真似だか知らないが、いやに幅の広い襷をかけたり・・・<宮本百合子「弟子の心」青空文庫>
  16. ・・・山沼に会ったのは古くて、ひろ子の友達の長男と同級のよしみで、落ちあったのが縁であった。こういう青年も、今はこの場所に来ている。しかも、受付にかたまって、若い人々の中にいたときの空気でみれば、山沼はおそらく、ひろ子などよりはるかにここに近く暮・・・<宮本百合子「風知草」青空文庫>
  17. ・・・関係から云っても、同級であった桃子の兄嫁のところへ、ただ洋裁の仕事先として多喜子は来ているのであった。 仮縫いの方を着て尚子が立っている背中の皺にピンをしているところへ、襖の外から、「いい?」 声をかけて、桃子が入って来た。・・・<宮本百合子「二人いるとき」青空文庫>