た‐じょう【多情】
[名・形動] 1 情が深くて、感じやすいこと。また、そのさま。「—な青年期」「—多感」 2 異性に対する心が移りやすいこと。また、そのさま。移り気。「—な人」
たじょう‐いっぺん【打成一片】
1 禅宗で、一切の執着を捨てて座禅に専念し、対象と心とが平等一体になること。 2 他を顧みず、一つのことをつきつめていくこと。一心不乱。「儕(おのれ)が—にて主君の謀叛を止めたらば」〈浄・河内国姥火〉
たじょう‐たかん【多情多感】
[形動][文][ナリ]感情が豊かで感受性の鋭いさま。「—な少年時代」
たじょう‐たこん【多情多恨】
[名・形動]感じやすいために、うらんだり悔やんだりする気持ちの多いこと。また、そのさま。「芸術家は本来—だから」〈漱石・吾輩は猫である〉 [補説]書名別項。→多情多恨
たじょうたこん【多情多恨】
尾崎紅葉の小説。明治29年(1896)発表。亡妻に対する主人公鷲見柳之助(すみりゅうのすけ)の愛情の微妙な推移を、言文一致の文体で描く。
たじょう‐ぶっしん【多情仏心】
感じやすく移り気であるが、人情にあつい性質。 [補説]書名別項。→多情仏心
たじょうぶっしん【多情仏心】
里見弴(さとみとん)の小説。大正11〜12年(1922〜23)発表。主人公藤代信之の女性遍歴を通して人間の真心を描く。