しず【倭文】
《上代は「しつ」》カジノキや麻などを赤や青の色に染め、縞や乱れ模様を織り出した日本古代の織物。綾布(あやぬの)。倭文布(しずぬの)。倭文織(しずお)り。しずり。しどり。「ちはやぶる神の社(やしろ...
しつ【倭文】
⇒しず(倭文)
しず‐おり【倭文織(り)】
⇒倭文(しず)
しず‐くら【倭文鞍】
《上代は「しつくら」》倭文(しず)で飾った鞍。一説に下鞍とも。
しず‐たまき【倭文手纏】
[枕]《上代は「しつたまき」》倭文で作った手纏きは玉製などに比べて粗末なところから、「いやしき」「数にもあらぬ」にかかる。「—数にもあらぬ命もて」〈万・六七二〉
しず‐ぬさ【倭文幣】
《上代は「しつぬさ」》倭文織りのぬさ。「木綿(ゆふ)だすき肩に取り掛け—を手に取り持ちて」〈万・四二三六〉
しず‐の‐おだまき【倭文の苧環】
倭文を織るのに用いる苧環。「繰り返し」「いやし」などの序詞に用いる。「いにしへの—繰り返し昔を今になすよしもがな」〈伊勢・三二〉
しず‐はた【倭文機】
《上代は「しつはた」》倭文を織る機(はた)。また、その織物。「大君の御帯の—結びたれ」〈武烈紀・歌謡〉
しずはた‐おび【倭文機帯】
《上代は「しつはたおび」》倭文で作った綾織りの帯。「古の—を結び垂れ誰といふ人も君にはまさじ」〈万・二六二八〉
しずはた‐に【倭文機に】
[枕]倭文には乱れ模様が織り込まれているところから、「乱る」にかかる。「—乱れてぞ思ふ恋しさは」〈貫之集〉