さしで‐の‐いそ【差し出の磯】
海や湖の中に突き出ている磯。所在未詳。[歌枕]「しほの山—にすむ千鳥君が御世(みよ)をば八千代とぞ鳴く」〈古今・賀〉
さぞ‐な【嘸な】
[連語]《「な」は終助詞》 1 そのとおりだなあ。いかにもそのように。「立ち聞く人もあらじなんどすすむれば、—昔の名残もさすがゆかしくて」〈平家・六〉 2 さだめし。きっと。さぞかし。「袖にふけ...
さ‐むしろ【狭筵】
1 幅の狭いむしろ。また、短いむしろ。〈色葉字類抄〉 2 むしろ。「—に衣かたしき今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫」〈古今・恋四〉
さよ‐の‐なかやま【小夜の中山/佐夜の中山】
静岡県掛川市の日坂(にっさか)から島田市菊川までの坂道。旧東海道の難所。夜泣き石伝説で知られる。さやのなかやま。[歌枕]「岩がねのとこに嵐をかたしきてひとりや寝なむ—」〈新古今・羇旅〉
さよふけ‐がた【小夜更け方】
夜の更けるころ。「かやり火の—の下こがれ苦しや我身人知れずのみ」〈新古今・恋一〉
さよ‐まくら【小夜枕】
夜、寝るときに用いる枕。「松が根のをじまが磯の—いたくな濡れそあまの袖かは」〈新古今・羇旅〉
さら◦ず【然らず】
[連語]《動詞「さ(然)り」の未然形+打消しの助動詞「ず」》そうでない。そのようではない。「—◦ずとていくよもあらじいざやさは法(のり)にかへつる命と思はむ」〈新古今・釈教〉
避(さ)り敢(あ)え◦ず
さけることができない。「梓弓はるの山辺を越え来れば道も—◦ず花ぞ散りける」〈古今・春下〉
さんせき‐の‐わか【三夕の和歌】
新古今集所収の、「秋の夕暮れ」を結びとした3首の名歌。寂蓮(じゃくれん)の「さびしさはその色としもなかりけり槙(まき)立つ山の秋の夕暮れ」、西行の「心なき身にもあはれは知られけりしぎ立つ沢の秋の...
さん‐そう【三草】
1 江戸時代、実生活に有用とされた3種の草。麻・藍(あい)・紅花、または麻・藍・木棉(きわた)をいう。 2 古今伝授の中で解釈上の秘伝とされた3種の草花の名。「川菜草(かわなぐさ)」「呉(くれ)...