さる‐にて‐も【然るにても】
[連語]《動詞「さり」(ラ変)の連体形+連語「にて」+係助詞「も」》そうであっても。それにしても。それはそれとしても。「—、かかる事なむと知らせ給ひて」〈源・少女〉
さる◦べし【然るべし】
[連語]《動詞「さり」の連体形+推量の助動詞「べし」》 1 ふさわしい。相応である。「—◦べき折もなくて、思ひありくほどに」〈落窪・一〉 2 そうなるのが当然である。そうなる運命である。「—◦べ...
さる◦まじ【然るまじ】
[連語]《動詞「さり」(ラ変)の連体形+打消し推量の助動詞「まじ」》 1 そうあるべきでない。そうあるはずがない。不当だ。「あまた—◦まじき人の恨みを負ひし果て果ては」〈源・桐壺〉 2 ものの数...
さる‐を【然るを】
[接]《動詞「さ(然)り」の連体形+接続助詞「を」から》前に述べた事柄を受けて、それと相反する説明を加える場合に用いる。ところが。そうではあるが。「いとかしこく思ひかはして、異心(ことごころ)な...
さん‐ぬる【去んぬる】
[連体]《動詞「さ(去)る」の連用形に完了の助動詞「ぬ」の連体形の付いた「さりぬる」の音変化から》過ぎ去った。去る。「これは—夜、御寝(ぎょしん)のならざりし故なりとて」〈平家・四〉
ざ◦なり
[連語]《助動詞「ず」の連体形に伝聞推定の助動詞「なり」の付いた「ざるなり」の音変化「ざんなり」の撥音無表記》打ち消して伝聞・推定する意を表す。…ないそうだ。…ないようだ。「海賊は夜あるきせ—◦...
ざ◦めり
[連語]《打消しの助動詞「ず」の連体形に推量の助動詞「めり」の付いた「ざるめり」の音変化「ざんめり」の撥音無表記》…ないようだ。…ないように見える。「帝、后の御いましめにしづまり給ふべくもあら—...
ざ◦らし
[連語]《打消しの助動詞「ず」の連体形に推量の助動詞「らし」の付いた「ざるらし」の音変化「ざんらし」の撥音無表記。上代語》…ないらしい。「世の中はまこと二代(ふたよ)は行か—◦らし過ぎにし妹に逢...
ざる
《文語の打消しの助動詞「ず」の連体形》動詞および一部の助動詞の未然形に付く。打消しの意を表す。文章語的表現や慣用的表現に用いられる。「準備不足と言わざるを得ない」「たゆまざる努力」
ざる‐べから◦ず
[連語]《打消しの助動詞「ざり」の連体形+連語「べからず」》(二重否定で意味を強めて)…しなければならない。…せよ。「精励せ—◦ず」