かとうちかげ【加藤千蔭】
[1735〜1808]江戸中期の歌人・国学者。江戸の人。本姓は橘 (たちばな) 氏で、枝直 (えなお) の子。号、朮園 (うけらぞの) ・芳宜園 (はぎぞの) 。町奉行所吟味方を務めながら、賀茂真淵 (かものまぶち) に学び、村田春海 (むらたはるみ) とともに江戸派の総帥とよばれた。著「万葉集略解 (りゃくげ) 」、家集「うけらが花」など。
かとうとうくろう【加藤唐九郎】
[1898〜1985]陶芸家。愛知の生まれ。伝統的な陶磁器の調査・研究に従事。桃山時代の黄瀬戸・織部の写しなどにすぐれた。
かとうどうぶつ【下等動物】
体の器官が未分化で体制の簡単な動物のこと。⇔高等動物。
かとうともさぶろう【加藤友三郎】
[1861〜1923]軍人・政治家。元帥・海軍大将。広島の生まれ。日露戦争時、連合艦隊参謀長。ワシントン会議に首席全権委員として出席。のち首相となり、シベリア撤兵、陸海軍の軍備縮小、山東還付などを行ったが、在任中死亡。
かとうは【河東派】
中国、明代初期、薛瑄 (せつせん) を祖とする哲学の一派。陽明学に反対し、朱子学を祖述して居敬 (きょけい) 窮理 (きゅうり) などを説いた。
かとうはじめ【加藤土師萌】
[1900〜1968]陶芸家。愛知の生まれ。本名、一 (はじめ) 。中国・朝鮮の古陶磁器の研究を重ね、色絵磁器・金襴手 (きんらんで) などに独創的な作風を示した。
かとうばんさい【加藤盤斎】
[1621〜1674]江戸前期の国学者・俳人。摂津(播磨とも)の人。別号、等空。細川幽斎・松永貞徳に師事し、古典の注釈に力を注いだ。著「新古今増抄」「徒然草抄」「伊勢物語新抄」など。
かとうびたい【火灯額】
近世、女の額ぎわの形の名。火灯形の額ぎわ。富士額。雁金額 (かりがねびたい) 。
かとうひろゆき【加藤弘之】
[1836〜1916]思想家・教育者。兵庫の生まれ。初め明六社の一員として「真政大意」などで天賦人権・自由平等を説き、立憲政治の啓蒙 (けいもう) に努めたが、のち「人権新説」などで天賦人権否定論・キリスト教排撃論を展開。東大総長・枢密顧問官などを歴任。
かとうぶし【河東節】
浄瑠璃の流派の一。享保2年(1717)江戸半太夫の門から分かれた十寸見河東 (ますみかとう) が創始。優美で渋い江戸風の音曲で、古曲の一つに数えられている。