今日、東京朝日新聞を見たら、フトこういう記事に目がとまりました。近く市が建設する理想的な無料産院 貧しい人々の間に差しのべる温かい救いの施設 これは耳よりな話だ。そう思って読んで見ると、その無料産院とい・・・ 宮本百合子 「「市の無料産院」と「身の上相談」」
・・・お母さんが病気をしたり姙娠した場合は、働いている人の妻であり、勤労者の妻である、組合員の妻であるということで、組合から地区の病院、産院、或は健康相談所でもって癒して貰える、姙娠すればちゃんと四ヵ月手当がついて休暇も貰える、娘が結婚すればそれ・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・出産のための産院は無料だ。赤坊のキモノや何かのための支度金を二十五ルーブリから三十五ルーブリぐらいまで貰い、出産後九ヵ月間は特別に赤坊の哺育料を貰う。「母と子の相談所」と託児所はあらゆる区に配置されている。そして労働法は生後十ヵ月までの子を・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・ それから例えば子供を生む時は産院へ無料で入れる。産院を出ると、お母さんと子供の住んでいる区の健康相談所があって、そこへ産院からその子供がどんな発育状態で生れたか、お母さんはどういう健康状態の下に乳を与えているかということ、性病の遺伝が・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・ ミーチャの母さんは、労働婦人は、産前産後四ヵ月の給料つき休暇の貰えること、赤坊の仕度金と九ヵ月の特別哺育費が国庫から支出されること、産院が無料であることなどを、その簡単な言葉の中で、タマーラに思い出させたのだ。 タマーラは何とも云・・・ 宮本百合子 「楽しいソヴェトの子供」
・・・四・一六の前から、救援運動を通じごく実践的に組織されて来た婦人部だし、みんな年配で経験は深いし、ソヴェト同盟農村託児所の話、産院、休みの家、勤労婦人の種々な権利についての話は、実際の興味をひいた。 ソヴェト同盟の話は、われわれの今日の情・・・ 宮本百合子 「飛行機の下の村」
・・・無料産院。托児所。出産仕度金は月給の半額まで支給され、ソヴェト同盟の労働法は姙娠五ヵ月以上の婦人労働者と、生れて十ヵ月未満の赤坊を抱えた婦人労働者は、殆んど絶対に解雇することは許されない。 こないだまでの世の中とは何という違いだろう! ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・ 塀の修繕をやっている労働者に、「クララ・ツェトキンの名による産院はどこだか知りませんか?」「そりゃ、ウンと来すぎた」 高いキャタツの上で、手をふりまわしながら教えてくれた。停留場から戻るのを、逆に来てしまっている。 こ・・・ 宮本百合子 「モスクワ日記から」
・・・同一労働に対して男女同額の賃銀、産前産後四ヵ月の月給つき休暇、無料産院と、工場に托児所。国庫全額負担による小学校教育等が実現されたのである。十八歳になれば男も女も選挙権を持つようになった。 レーニンが革命後間もなくモスクワの婦人労働者会・・・ 宮本百合子 「ロシア革命は婦人を解放した」
・・・そして、貧しき母の為の産院寄附金募集には上流貴婦人連が各自家重代の銀器を持ち出して華々しい展覧会を開催するというグロテスクな皮肉に亢奮させられてはいけない。英国人は「与え而して取る」という人生根本原則が顛覆しない限り、あらゆる人生の美、醜に・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
出典:青空文庫