・・・第十八章参照。 芥川竜之介 「誘惑」
・・・へ牛肉の山椒焼や焼うどんや肝とセロリーのバタ焼などを食べに行くたびに、三度のうち一度ぐらいはぶぶ漬を食べて見ようかとふと思うのは、そのぶぶ漬の味がよいというのではなく、しるこ屋でぶぶ漬を売るということや、文楽芝居のようなお櫃に何となく大阪を・・・ 織田作之助 「大阪発見」
・・・ 山椒昆布を煮る香いで、思い切り上等の昆布を五分四角ぐらいの大きさに細切りして山椒の実と一緒に鍋にいれ、亀甲万の濃口醤油をふんだんに使って、松炭のとろ火でとろとろ二昼夜煮つめると、戎橋の「おぐらや」で売っている山椒昆布と同じ位のうまさに・・・ 織田作之助 「夫婦善哉」
・・・まさかオンバコやスギ菜を取って食わせる訳にもゆかず、せめてスカンポか茅花でも無いかと思っても見当らず、茗荷ぐらいは有りそうなものと思ってもそれも無し、山椒でも有ったら木の芽だけでもよいがと、苦みながら四方を見廻しても何も無かった。八重桜が時・・・ 幸田露伴 「野道」
・・・そういう損失をなるべく少なくするには、やはりいろいろの人の選んだいろいろの案内記をひろく参照するといい。ただ困るのは、すでに在る案内記の内容をそのままにいいかげんに継ぎ合わせてこしらえたような案内記の多い事である。これに反して、むしろ間違い・・・ 寺田寅彦 「案内者」
・・・】を参照されたい。現在の論文は、これと「二枚折り」になる性質のものである。 寺田寅彦 「映画芸術」
・・・これも舶来ものを参照すればわかるであろう。第四にはセットの道具立てがあまり多すぎて、印象を散漫にしうるさくする場合が多い。たとえば「忠弥」の貧民窟のシーンでもがそうである。セットの各要素がかえって相殺し相剋して感じがまとまらない。これらの点・・・ 寺田寅彦 「映画時代」
・・・を参照されたい。 また言語学者のほうからは、私の以上の扱い方が音韻転化の方則などを無視しているではないかという非難を受けるかと思う。しかしグリムの方則のような簡単明瞭なものは大陸で民族の大集団が移動し接触する時には行なわれるとしても、日・・・ 寺田寅彦 「火山の名について」
・・・また一方山口珪次君の単晶のすべり面の研究なども合わせて参照さるべきものと思われる。また未発表ではあるが池田芳郎君の注意されたガラス管の内部的歪による破壊の現象などもこの部類に属するもので、そこにもおもしろいわれ目の週期性が現われるのである。・・・ 寺田寅彦 「自然界の縞模様」
・・・この事については『ローマ字世界』の十二月号に詳しく述べるつもりであるから御参照を願いたい。 日本軍がシベリアへ出征するという場合でも、気象学上の知識は非常に必要である。彼の地における各時季の気温や、風向、晴雨日の割合などは勿論、些細な点・・・ 寺田寅彦 「戦争と気象学」
出典:青空文庫