・・・ また一例を挙げると、三月十六日パレスタインで強風が砂塵を立てているに乗じてトルコの駱駝隊を襲撃し全滅させたという記事もある。その他各戦線にわたって天候のために利を得また損害を受けた実例は枚挙に暇ないほどある。ことに飛行隊の活動などは著・・・ 寺田寅彦 「戦争と気象学」
・・・港の片側には赤みを帯びた岩層のありあり見える絶壁がそばだっている。トルコの国旗を立てたランチが来て検疫が始まった。 土人の売りに来たものは絵はがき、首飾り、エジプト模様の織物、ジェルサレムの花を押したアルバム、橄欖樹で作った紙切りナイフ・・・ 寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
・・・たとえばリュート類似の弦楽器として概括さるべきものに、トルコのコプズ、ルーマニアのコブサ、またコブズ、ロシヤ、ハンガリーへんのコボズなどがある。それからシベリアの一地方でコムスというのは、ふくれた胴に皮が張ってあるが、弦は二本で五度に合わす・・・ 寺田寅彦 「日本楽器の名称」
・・・そこの様子はトルコの宮廷以上だ。 私の入ってる間に、一人首を吊って死んだ。 監獄に放り込まれるような、社会運動をしてるのは、陽気なことじゃないんです。 ヘイ。 私は、どちらかと言えば、元気な方ですがね。いつも景気のいい気持ば・・・ 葉山嘉樹 「牢獄の半日」
・・・事によると、間に合わないと思ったのが、うまい工合に参りましたので、大へんよろこびました。トルコからの六人の人たちと、船の中で知り合いになりました。その団長は、地学博士でした。大祭に参加後、すぐ六人ともカナダの北境を探険するという話でした。私・・・ 宮沢賢治 「ビジテリアン大祭」
・・・ 三三九ウクライナ 五六七 二七七グルジア 四五八 三三一白ロシア 五二〇 二三一アルメニア 四三五 二四二トルコ 一三八 二・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・7.4 51.3タタール 46.4 42.4 42.7 30.3グルジア 46.9 40.1 46.7 40.7アルメニア 60.3 39.0 54.7 18.7トルコ 42.9 19.9 4・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・ 又、外国の宮殿を見ると、よく支那の間とか、トルコの間とかいう室がつくられている。すっかりその国の特色あるもので装飾されて一室をなしている。そういうところを眺めていると、過去の世紀の権力の表現方法やその様式というものが、絵巻のようにまざ・・・ 宮本百合子 「生活のなかにある美について」
・・・一八五三年に英露のトルコ分割を目的とするクリミヤ戦争が起った。この戦役におけるイギリス負傷兵の状況の酸鼻が、しばしば議会の問題となり、世界の注目がそこにあつめられた。この時代まだ笞刑の行われていたイギリス陸軍の兵士が、クリミヤ戦争で傷つき、・・・ 宮本百合子 「フロレンス・ナイチンゲールの生涯」
・・・二人の争いは、トルコの香料の匂いを馥郁と撒き散らしながら、寝台の方へ近づいて行った。緞帳が閉められた。ペルシャの鹿の模様は暫く緞帳の襞の上で、中から突き上げられる度毎に脹れ上って揺れていた。「陛下、お気をお鎮めなさりませ。私はジョセフィ・・・ 横光利一 「ナポレオンと田虫」
出典:青空文庫