・・・ 第一次欧州大戦後のドイツが、ワイマール憲法をきめて、共和国となった当時最初の婦人参政権が行使され、一時に三十人の婦人代議士が出た。今年、はじめて選挙権を与えられた第二次大戦後のフランス婦人たちは三十二名の婦人代議士を選出し、なかに十七・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・の華々しい発展は社会主義共和国の教育で大虐待をうけるだろうと予想した。個人の才能、傾向、性格、そんなものは蹴散らされ、たった一つの鋳型=共産主義教育にうちぬかれた機械人形のような子供らが出来るのだろうと思っていた。 ところが、一年一年経・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・第一条 ロシア社会主義連邦ソヴェト共和国領域内ニオケル土地、地中埋蔵物、水域、森林オヨビ生ケル自然力ニ対スル私有権ハ永久ニ之ヲ廃止ス。第二条 土地ハ一切ノ賠償ナクシテ今日限リ全労働大衆ノ使用ニ帰スルモノトス。 ツァー、貴族、教会・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・去年はアジアにとってきわめて意味深い大きな出来ごとがあって、遂に中国は新しい中華人民共和国として誕生しました。 支那と云えば明治の始めから私達日本の人民は何時もなんとなしにおとった人民の様に思いこまされて居って、日清、日露そして第二次世・・・ 宮本百合子 「今年こそは」
・・・(ロシア共和国内だけの労働科に於ける女学生数は一九二七年一五パーセントだった。 全СССРで高等専門教育過程をふみつつある女性は二九・八パーセント また別な或る雪の日のこと。 ひと仕事すんだターニャが日本女の室で、か・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・ダラディエの属していた急進社会党とレイノーの属していた中央共和派とは、フランスの社会生活全般に対してどんな見解の相異をもっていたかということや、ダラディエ一人の中にどんな自家撞着があり、更にどんな利害の対立をもっていたかということについて、・・・ 宮本百合子 「今日の生活と文化の問題」
・・・な定期市が終った朝、ニージュニ・ノヴゴロドからイリイッチ号という小ざっぱりした周遊船にのって、秋のヴォルガを五日かかってスターリングラードまで下り、そこからコーカサス、チフリスと経て、アゼルバイジャン共和国の首府バクーへ来たのであった。・・・ 宮本百合子 「石油の都バクーへ」
尊敬する宋慶齢夫人に。 中華人民共和国の輝やかしい一九五〇年の新春を慶賀いたします。 二〇世紀は、人類にとって、すばらしい人間的理性の勝利の世紀となりつつあります。一九一七年の十月には、地球の六分の一を占める地域に・・・ 宮本百合子 「宋慶齢への手紙」
・・・一都市の政治的、商業的問題を本国と取定める場合には、誰か、彼等の信任する一人を、あらゆる舌、あらゆる心の代表として選出しなければならない。共和政体は、合衆国が独立を宣言するより以前から、その胚種を持っていたのではないでしょうか。 困難に・・・ 宮本百合子 「男女交際より家庭生活へ」
・・・自治共和国をもつようになった。今日では自由に自分の国の言葉で読み書きは勿論演劇もやる。学校教育もやる。出版される。「労働宮」の大きくない一室のドアの上に貼られた「ユダヤ語、タタール語新聞発行所」という紙は小さいものだ。しかし、それは世界幾千・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
出典:青空文庫