・・・この三年間に、反小林多喜二の慣用語として、主体性を云い、人民的民主主義の方向を抹殺して、個人を云い自我を云いたてた人々は、現在、その人々の目にもあきらかなように、反動的農民組合の分派が、自分たちを主体派とよび、労働組合の分裂工作が民主化同盟・・・ 宮本百合子 「小林多喜二の今日における意義」
・・・流派という小さな分派の中でダダだ、キュビズムだといっていられないほどの大破壊と新しい社会価値の建設の必要があらわれています。第一次大戦で旧い王権はとりのぞかれたが、第二次大戦のあとにはファシズムの根となる世界経済の上での独占力を民主化すると・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
・・・当時三十歳前後であったプレハーノフは、一八八五年、外国で出版されたこの論文によって民衆派の各分派が従来その根本的土台としていたところのロシアの現実には資本主義がない、発展しないという誤った観念を徹底的に覆した。ナロードニキのその考え方は余り・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
出典:青空文庫