・・・私はこの力作の検討の上に立って作者がさらに健康な発展に向うことを切望してやまないのである。〔一九三四年十月〕 宮本百合子 「作家への課題」
・・・科学の真の発展の動因は原理のうちにあるとすれば、日本の若い世代がその貢献によって人類の原理を一進させ得るときが持てるように、家庭での科学教育や科学性の普及が行われることを切望する心持になる。今日の旺盛なアダプタビリティにも増す独創或は創造の・・・ 宮本百合子 「市民の生活と科学」
・・・それより、こんなにわるい銭湯の状態が、もっともっとよくなることを切望しています。自分のものでなくても、自分はじめみんなが衛生的に気もちよくつかえる銭湯をもちたいと、どんな方でもおっしゃると思います。ある区会議員の選挙演説では、当区内の浴場を・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・ 決意のかたいこの人々が益々体も健やかに精神のひろやかなゆとりをも持って活動される事を切望する。 只でさえ女の先生を見る周囲の目は、そこに女の鑑を見ようとする傾きがつよいが、勇士の妻という事を、女先生の責任感に加重して負わせ過ぎない・・・ 宮本百合子 「女性週評」
・・・どんなにいい価値でそれを発揮させたいと切望しているだろう。今日と明日とのよりゆたかな生活の確信のために、私たちが人類の文化の歴史について、日本の過去の業績について何程かの知識を増すことは、決して無駄ではないだろうと思う。 先ず、私たちの・・・ 宮本百合子 「世代の価値」
・・・ 一九五〇年における中華人民共和国の発展を祝し、革命の母たるあなたの一そうの健康と活動とを切望いたします。〔一九五〇年二月〕 宮本百合子 「宋慶齢への手紙」
・・・ この一本を注意ぶかく愛読するであろう諸氏に、私は切望する。諸氏の旺盛な生活力によってこの作品からあますところなく教訓を摂取すると共に、才能の自由な活動を奪われ、著者は今、繩をないつつ坐らせられているということを、記憶されるように、と。・・・ 宮本百合子 「『地上に待つもの』に寄せて」
・・・を第一輯とした次の第二輯を、出版されることを切望する。蕭軍、蕭紅たちは、きょう、どういう作品を生んでいるだろうか。延安の洞窟のなかで生れる文学はどういうものであろうか。それを知りたいと思っているのである。附記 「春桃」一巻の本文、特・・・ 宮本百合子 「春桃」
・・・この最初の二冊を読んだ人々は一層熱心に第三巻を待っているのであろうし更に第十巻全部が滞りなく完訳されることを切望しているのであろうと思う。山内義雄氏はフランス文学のうつし手として、これまでも多くの意義ある業績を示しておられるが、この「チボー・・・ 宮本百合子 「次が待たれるおくりもの」
・・・ 私は、良人の学業を信頼し、科学性の常識化を翹望するよき数人の夫人達が、科学の科学性を十分発揮し得る社会とは、どのような社会であるかということについて、優しい心で真面目に一考されることを切望するのである。〔一九三五年五月〕・・・ 宮本百合子 「花のたより」
出典:青空文庫