私はこの地方にいるものではありません、東京の方に平生住っております。今度大阪の社の方で講演会を諸所で開きますについて、助勢をしろという命令――だか通知だか依頼だかとにかく催しに参加しなければならないような相談を受けました。それでわざわ・・・ 夏目漱石 「中味と形式」
・・・それは県の規則が全級の三分の一以上参加するようになってるからだそうだ。けれども学校へ十九円納めるのだしあと五円もかかるそうだから。きっと行けると思う人はと云ったら内藤君や四人だけ手をあげた。みんな町の人たちだ。うちではやってくれるだろうか。・・・ 宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
・・・除草、追肥 第一、七組 蕪菁播種 第三、四組 甘藍中耕 第五、六組 養蚕実習 第二組(午后イギリス海岸に於て第三紀偶蹄類の足跡標本を採収すべきにより希望者は参加 そこで正直を申しますと、こ・・・ 宮沢賢治 「イギリス海岸」
・・・然し閣下は普仏戦争に御参加になりましたのでありますか。」大将「いいや、六十銭で買ったよ。」特務曹長「なるほど、実に立派であります。六十銭では安すぎます。」大将「うん、」特務曹長「その次の勲章はどれでありますか。」大将「こ・・・ 宮沢賢治 「饑餓陣営」
・・・大祭に参加後、すぐ六人ともカナダの北境を探険するという話でした。私たちは、船を下りると、すぐ旅装を調えて、ヒルテイの村に出発したのであります。実は私は日本から出ました際には、ニュウファウンドランドへさえ着いたら、誰の眼もみなそのヒルテイとい・・・ 宮沢賢治 「ビジテリアン大祭」
・・・多くの人々が、この問題の本質上、今日ではもう個人的解決の時期を全くすぎていて、これは人民的規模において、男女共通に、共通の方法に参加して、各種の管理委員会をこしらえて、自主的な圧力で改善してゆくことに決心したら、どんなに早く、解決の緒につく・・・ 宮本百合子 「合図の旗」
・・・あの苦しさ、あの思いを、女として全生活の上に蒙って来た日本の婦人が、今日、これから漸々そのことについて語り、生活のよりよい建設に参加する意志に立つ文学を生み出すことを、どうして期待せずにいられよう。私たちには言葉がある。今その言葉で、真実を・・・ 宮本百合子 「明日咲く花」
・・・ヘンリー・フォードが催したヨーロッパ早まわり競争に参加して、十日間に六千マイルを突破して一等になり、フォードより自動車を一台おくられたことがある。この早まわり競争の道づれも弟のクラウスであり、しかも早まわり記事を新聞におくり、あとから一冊に・・・ 宮本百合子 「明日の知性」
・・・ここには四万人の婦人たちが参加しています。印度では一九四六年に、民族解放のゲリラ隊によってテレンガン地方の五百万人の人口をふくむ二千五百の村々が解放され、はじめて民主的な人民の生活とはどういうものであるかを学びました。印度の婦人たちは、こん・・・ 宮本百合子 「新しいアジアのために」
日本文化協会の催しで文楽座の人形使いの名人吉田文五郎、桐竹紋十郎諸氏を招いて人形芝居についての講演、実演などがあった。竹本小春太夫、三味線鶴沢重造諸氏も参加した。人形芝居のことをあまり知らない我々にとってはたいへんありがたい催しであっ・・・ 和辻哲郎 「文楽座の人形芝居」
出典:青空文庫