・・・いがもし出来ることなら、こうした機関はむしろ文部省の管轄からも独立させて、全く特殊な恒久的国家機関とし、非科学的なあるいは科学に無理解な御役人達の政治の支配下から解放して健全な発達を計るのが国家百年の大計のために甚だ望ましいことではないかと・・・ 寺田寅彦 「新春偶語」
・・・になって、廟堂にずらり頭を駢べている連中には唯一人の帝王の師たる者もなく、誰一人面を冒して進言する忠臣もなく、あたら君徳を輔佐して陛下を堯舜に致すべき千載一遇の大切なる機会を見す見す看過し、国家百年の大計からいえば眼前十二名の無政府主義者を・・・ 徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
・・・学問は永遠の大計を期して大切なり。政事は目下の安寧を保護して学者の業を安からしめ、学問は人を教育して政事家をも陶冶し出だす。双方ともに毫も軽重あることなしとの裁判にて、双方に不平なかるべし。 一国文明のために学問の貴重なること、すでに明・・・ 福沢諭吉 「学問の独立」
・・・とともに一国の独立を謀るも自然の順序なれば、自主独立の一義、もって君に仕うべし、もって父母に事うべし、もって夫婦の倫をまっとうし、もって長幼の序を保ち、もって朋友の信を固うし、人生居家の細目より天下の大計にいたるまで、一切の秩序を包羅して洩・・・ 福沢諭吉 「徳育如何」
出典:青空文庫