・・・いう構造物の科学的研究がもう少し根本的に行き届いていて、あらゆる可能な障害に対する予防や注意が明白にわかっていて、そして材料の質やその構造の弱点などに関する段階的系統的の検定を経た上でなければ、だれも容認しない事になっていたのならば、おそら・・・ 寺田寅彦 「断水の日」
・・・しかし実際ねずみのいない家はまれであり、ねずみがいなくなると何かその家に不祥事が起こる前兆だという迷信があったりするくらいだから、少なくもわれわれ日本人は天井にねずみのいる事を容認しなければならない事になっているかもしれない。それを自分だけ・・・ 寺田寅彦 「ねずみと猫」
・・・ 日本の真の民主化のために、なお封建的なのこりものの多く容認されているこの草案は不備なものではあるけれども、それでも、人民の権利と業務との規定では、これまでの日本憲法に明記されることのなかった民主的要素をもっているのである。 この草・・・ 宮本百合子 「現実の必要」
・・・このような不当なものをわれわれは断じて容認できないのであります。」ついで午後の法廷で、わかわかしい学生服の彼は一時間にわたって検事の取調べに苦しめられた状態をのべた。「われわれは決して空虚な根拠をもって公判取消を要求するわけではない。」と、・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・我々の意見殆ど全部容認され、右議案二月末貴族院を通過す。衆議院を通過することも亦決定的なり。四六書院より戯曲集『女人哀詞』を出版。『風』なお継続。三月末完結の予定。」その後、「女の一生」「真実一路」につづいて目下「路傍の石」が東西両朝日新聞・・・ 宮本百合子 「山本有三氏の境地」
出典:青空文庫