・・・それを、日本の知識人の悲運という風に主情的に語るだけでは、それ自体、その人たちも排撃している日本の文学精神の主情性であり、理性の譲歩ではなかろうか。 わたしたちは、よくよく思いおこさなければならない。かつて日本人民の運命が東條政府によっ・・・ 宮本百合子 「「下じき」の問題」
・・・可愛いピオニェールになってる自分の息子や娘達が凜々しく隊伍を組んで雪ん中を「酔っ払い親父を排撃する!」って赤いプラカート担いで行進されちゃ、参るのさ、ソヴェトのピオニェールや自覚した婦人労働者はしっかりしてるからな。病院へ入れて中毒を療して・・・ 宮本百合子 「正月とソヴェト勤労婦人」
・・・ナチスの他民族排撃の野蛮さは人類史の最大の汚辱といえる。ナチスは、ユダヤ人を追放し、財産を没収し、集団的に虐殺した。ニュールンベルグの国際裁判の公判廷で、ゲーリングは自分らの惨虐をふたたびフィルムの上に展開されて、文字どおり嘔吐したと伝えら・・・ 宮本百合子 「世界の寡婦」
・・・ 恋愛を其の日の事業として暮すというのであったら、それは社会人として第一に排撃される。 クララ・ツェトキンの書いた「レーニンの想出」に、戦時共産主義時代に若い党員が恋愛の自由ということを感違いしていろいろの誤謬を起したことにレーニン・・・ 宮本百合子 「ソヴェトに於ける「恋愛の自由」に就て」
・・・で、マヤコフスキーは、労働者青年の中からのソヴェト・エジソンの出現、小市民趣味と盲目的な外国、資本主義国崇拝の排撃、最後に社会主義の勝利、社会主義の「風呂」で、はじめて人間がきれいにされるということを主張した。 メイエルホリドは、この六・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・恋愛をその日の事業として暮すというのであったら、それは社会人として第一に排撃される。クララ・ツェトキンの書いた「レーニンの想い出」に、戦時共産主義時代に若い党員が恋愛の自由ということを感違いして、いろいろの誤謬を起したことにレーニンが非常に・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・そして一寸好い心持ちそうに、互に排撃するのはいいが暴力沙汰は一般人に不愉快な印象を与え、ひいて我国の無産運動に汚点をのこしたことになる云々と云ってる。だが無産運動、プロレタリアート文学の本道はこんなことでビクつくようなヤワなもんじゃない。断・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・そして、職場の闘争で諸君が勇敢にダラ幹を排撃するように、プロレタリア芸術の領域へモグリ込んで正しいプロレタリア芸術戦線を攪乱しようとする民主主義者を日常芸術活動の中から追っぱらえ!〔一九三一年六月〕・・・ 宮本百合子 「プロレタリア芸術の本体をシッカリ腹に入れてくれ!」
・・・はじめは楽観から赤の理窟と一蹴して、国賊排撃に共感していた人々も、おいおい様子があやしくなって本能的な不安に襲われはじめた。ファシスト権力の狂奔はその時期に入って白熱した。人々の不安を国家存亡の危機という表現に結集させた。ひとことも、軍事的・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
・・・という観念と「かれらは受身でおとなしく、機械のなかにあるなにか攻撃的なものを排撃します。それでいて、西洋文明のうちでもいちばん悪い戦争の道具はこれをとりあげるようなはげしい気性をうちに持っているのです」という所謂民族性の解釈とを、自身疑いを・・・ 宮本百合子 「「揚子江」」
出典:青空文庫