・・・ そのころ、私は故郷の、やや有名な新聞社の東京支局から招待状をもらっていたのである。――いつも御元気にてお暮しの事と思います。いよいよ秋に入りまして郷里は、さいわいに黄金色の稲田と真紅な苹果に四年連続の豊作を迎えようとしています。此の際・・・ 太宰治 「善蔵を思う」
・・・こういうものは全国にただ一つあって、各地には適当に支局を分配して、中央を通じて相連絡すればよい。 政治経済教育宗教学芸産業軍事その他ありとあらゆる方面にわたる現実の正確な知識を与え、一般の輿望に基づいて各当局の手の回らぬところを研究し補・・・ 寺田寅彦 「一つの思考実験」
・・・ニューヨーク・タイムズ東京支局長リンゼー・パロット氏、AP東京支局長ラッセル・ブラインズ氏に対して日本人として鈴木文史朗氏が出席している、肩書はリーダーズ・ダイジェスト日本版編集長とある。座談会はロイヤル長官の談話そのほかいくつかのトピック・・・ 宮本百合子 「鬼畜の言葉」
・・・ドイツ・ナップ支局からメッセージが来た。アメリカの革命的芸術家団ジョン・リード・クラブは、日本プロレタリア作家同盟に同志の挨拶を送ってよこした。 ロンドンだって、黙ってはいない。世界の革命的プロレタリア芸術運動への激励と、ソヴェトの守り・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
出典:青空文庫