かすがごんげん【春日権現】
奈良の春日大社の祭神の総称。また、春日大社の別名。春日明神。
かすがごんげんけんき【春日権現験記】
鎌倉時代の代表的絵巻物。絹本着色。全20巻。目録1巻。春日大社創建の由来と数々の霊験とを描く。目録によれば、絵は高階隆兼 (たかしなたかかね) が描き、西園寺公衡 (さいおんじきんひら) の発願で延慶2年(1309)春日大社に奉納された。稠密 (ちゅうみつ) 華麗な画風は大和絵の一頂点を示す。春日権現霊験記。
かすがし【春日市】
⇒春日
かすがじんじゃ【春日神社】
春日大社 (たいしゃ) の旧称。
かすがたいしゃ【春日大社】
奈良市春日野町にある神社。旧官幣大社。祭神は武甕槌命 (たけみかづちのみこと) (第一殿)・経津主命 (ふつぬしのみこと) (第二殿)・天児屋根命 (あまのこやねのみこと) (第三殿)・比売神 (ひめがみ) (第四殿)で、藤原氏の氏神。3月13日の春日祭は三勅祭の一。昭和21年(1946)春日神社を改称。春日造りの本殿は国宝。平成10年(1998)「古都奈良の文化財」の一つとして世界遺産(文化遺産)に登録された。
かすがづくり【春日造(り)】
神社本殿形式の一。切妻造り・妻入りで、正面に階隠 (はしかく) しをつけ、棟には置き千木 (ちぎ) ・鰹木 (かつおぎ) を置く。奈良時代に完成したものという。春日大社本殿がその代表例。
かすがどうろう【春日灯籠】
1 竿 (さお) が円形、笠・火袋 (ひぶくろ) ・中台 (ちゅうだい) ・地輪 (じりん) が六角平面で、背の高い標準的な石灯籠。春日大社に多く用いられているところからいう。 2 木製または青銅製のつり灯籠。春日大社の回廊や社殿に使われている形。
かすがどりい【春日鳥居】
春日大社の一の鳥居に代表される鳥居形式。柱が太く、ころびをつけ、島木・笠木は直線で、端を垂直に切ったもの。
かすがの【春日野】
奈良市、春日山の麓一帯の野原。[歌枕]「—の飛火の野守いでてみよ今いくかありて若菜つみてむ」〈古今・春上〉
かすがのしんぼく【春日の神木】
神霊が宿るとされた春日神社の榊 (さかき) 。平安末期から室町時代にかけて、興福寺の大衆 (だいしゅ) が朝廷の処置などに不満があるときに、春日神社の神人とともにこれを担いで京都に強訴するのが例であった。これを神木入洛 (しんぼくじゅらく) という。