沈吟(ちんぎん)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・粟野さんは保吉の教科書を前に、火の消えたパイプを啣えたまま、いつもちょっと沈吟した。それからあたかも卒然と天上の黙示でも下ったように、「これはこうでしょう」と呼びかけながら、一気にその個所を解決した。保吉はこの芝居のために、――この語学的天・・・
芥川竜之介
「十円札」
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なんの随筆の十枚くらい書けないわけは無いのであるが、この作家は、もう、きょうで三日も沈吟をつづけ、書いてはしばらくして破り、また書いては暫くして破り、日本は今、紙類に不足している時ではあるし、こんなに破っては、もったいない・・・
太宰治
「作家の像」
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