むじょうかん【無常観】
一切は無常であるとする、ものの見方。
むじょうき【無常気】
世の中をはかなく思う心。無常心 (むじょうごころ) 。「ただ—でをかしうないと」〈浄・歌念仏〉
むじょうこう【無常講】
互いに掛け金を積んでおき、葬儀の費用に充てる互助組織。「よく聞けば死ぬるを急ぐ—」〈新増犬筑波集・上〉
むじょうごころ【無常心】
「無常気」に同じ。「浮き世の頼み涙にくれ、—や入相 (いりあひ) の鐘」〈浄・寿の門松〉
むじょうしょ【無常所】
墓場。墓地。「神明寺の辺に—設けて侍りけるが」〈拾遺・雑上・詞書〉
むじょうじんそく【無常迅速】
仏語。人の世の移り変わりがきわめて速いこと。人の死が早く来ること。
むじょうのかぜ【無常の風】
人の生命を消滅させる無常の理法を、花を散らし灯火を消す風にたとえていう語。「—に誘はれ、ただいま冥土へ赴く」〈虎明狂・朝比奈〉
むじょうのかたき【無常の敵】
死をたとえていう語。「—競 (きほ) ひ来たらざらんや」〈徒然・一三七〉
むじょうもん【無常門】
葬礼の時にだけ用いる門。江戸時代の大名屋敷には必ず設けた。