くまがいがさ【熊谷笠】
武蔵国熊谷地方で作られた深編み笠。すり鉢を伏せたような形の笠で、武士や虚無僧 (こむそう) ・医師などがかぶった。《季 夏》
くまがいざくら【熊谷桜】
桜の一品種。ヒガンザクラに次いで早く咲く。花は一重で、初め紅色、のち白色に変わる。熊谷直実の一ノ谷先陣にちなむ名という。
くまがいじんや【熊谷陣屋】
浄瑠璃「一谷嫩軍記 (いちのたにふたばぐんき) 」の三段目切 (きり) の通称。平敦盛を救えとの源義経の密命を果たすため、敦盛の身代わりとして息子の小次郎を犠牲にした熊谷直実 (くまがいなおざね) は、無常を感じて出家する。
くまがいそう【熊谷草】
ラン科の多年草。丘陵地の樹下に生え、高さ約30センチ。まっすぐ伸びた茎の上部に扇形の葉が2枚つく。晩春、大きな淡紅色の花を1個つける。名は、袋状をした花びらを熊谷直実の背負った母衣 (ほろ) にたとえたもの。《季 春》
くまがいたいぞう【熊谷岱蔵】
[1880〜1962]医学者。長野の生まれ。東北大学総長。日本における結核の予防と治療に貢献。文化勲章受章。
くまがいたつや【熊谷達也】
[1958〜 ]小説家。宮城の生まれ。北海道・東北の厳しい風土や狩猟文化、民話に題材をとった作品を執筆する。「邂逅 (かいこう) の森」で直木賞受賞。他に「ウエンカムイの爪」「漂泊の牙 (きば) 」「マイ・ホームタウン」など。
くまがいなおざね【熊谷直実】
[1141〜1208]鎌倉初期の武将。武蔵国熊谷の人。はじめ平知盛に仕えたが、のち源頼朝に仕え、一ノ谷の戦いで平敦盛を討った話は有名。建久3年(1192)所領争いに敗れ、自ら髪を切って法然の門に入り、蓮生 (れんじょう) と名のった。
くまがいなおよし【熊谷直好】
[1782〜1862]江戸後期の歌人。岩国藩士。脱藩して大坂へ行き、香川景樹 (かがわかげき) に師事。家集「浦の汐貝」、著「梁塵後抄」など。
くまがいもりかず【熊谷守一】
[1880〜1977]洋画家。岐阜の生まれ。フォーブ的な画風から単純化された色面構成の独自の画境を開く。
くまがいいちや【熊谷一弥】
[1890〜1968]テニス選手。福岡の生まれ。大正7年(1918)全米オープンで、日本人として初めてグランドスラムのベスト4に進出。大正9年(1920)アントワープ-オリンピックではシングルスとダブルスで準優勝し、日本人初のメダルを獲得した。