ますらお【益荒男/丈夫】
1 りっぱな男。勇気のある強い男。ますらたけお。ますらおのこ。⇔手弱女 (たおやめ) 。「屈せずして待つが—の事なりと言う」〈鴎外訳・即興詩人〉 2 武人。兵士。「大伴 (おほとも) の氏と名に負へる—の伴」〈万・四四六五〉 3 狩人。猟師。〈日葡〉
ますらおの【益荒男の/丈夫の】
[枕]ますらおが常に手結 (たゆい) をつける意から、「たゆひ」にかかる。「—手結 (たゆひ) が浦に海人娘子 (あまをとめ) 」〈万・三六六〉
ますらおのこ【益荒男子】
「ますらお」に同じ。「嘆きつつ—の恋ふれこそ我が結ふ髪の漬 (ひ) ちて濡れけれ」〈万・一一八〉
ますらおぶり【益荒男振り/丈夫風】
男性的でおおらかな歌風。賀茂真淵 (かものまぶち) らの歌人たちが和歌の理想と考え、万葉集の歌の中にこれが見いだされると説いたもの。古今集以後の「たおやめぶり」に対していう。
ますらかみ【益荒神】
男性的で勇ましい神。「あが御子 (みこ) 、—の御子にまさば、亡 (う) せし弓矢いで来 (こ) 」〈出雲国風土記〉
ますらたけお【益荒猛男】
勇気のある強い男。ますらお。「大久米 (おほくめ) の—を先に立て」〈万・四四六五〉