・・・ 耕一は何かもっと別のことを言おうと思いましたがあんまり怒ってしまって考え出すことができませんでしたので又同じように叫びました。「うわぁい、うわぁいだが、又三郎、うななどぁ世界中に無くてもいいな、うわぁい。」「昨日は実際失敬した・・・ 宮沢賢治 「風野又三郎」
・・・そのことと、作家小林多喜二が、そのように無惨な特攻隊を考え出すような非人間な権力の重圧からインテリゲンツィアをこめる日本の全人民を解放しようとする運動に献身し、警察で殺されなければならなかったこととを、単に歴史の両面の現象と云い切る心には、・・・ 宮本百合子 「誰のために」
・・・ こんな話を考え出すほど、このごろの私は、不安やら反抗やら、圧迫やらに苦しめられているのです。 いつぞや、御一緒に買った「あの本」の中に「生命は我々に与えられている――その理由は知らない――けれども、それを弱からしめんためでもな・・・ 宮本百合子 「地は饒なり」
出典:青空文庫