かんぜぶ【観世麩】
焼き麩で、切り口に観世水のような青い渦巻きの現れるもの。
かんぜみず【観世水】
《観世大夫の紋所だったところから》渦を巻く水の模様。扇面や謡本の表紙などに用いられる。かんぜすい。
かんぜもとあきら【観世元章】
[1722〜1774]江戸中期の能役者。シテ方観世流15世宗家。左近と称す。田安宗武・賀茂真淵らの協力を得て、謡曲の詞章を大改訂した「明和改正謡本」を刊行。
かんぜもときよ【観世元清】
⇒世阿弥 (ぜあみ)
かんぜもとしげ【観世元重】
[1398〜1467]室町前期の能役者。観世流3世(実は4世)。世阿弥の弟の子。法名、音阿弥 (おんあみ) 。足利義教・義政の保護をうけ、観世宗家として名声を得た。
かんぜもとまさ【観世元雅】
[1395?〜1432]室町前期の能役者・能作者。通称、十郎。世阿弥の長男。観世大夫3世だが、現系図では数えない。若手ながら名手といわれたが、音阿弥を愛した足利義教の圧迫で、不遇の中に死んだ。作「隅田川」「盛久 (もりひさ) 」「弱法師 (よろぼし) 」など。
かんぜより【観世縒り】
和紙を細く切り、指先でよって糸のようにし、それをさらに2本より合わせたもの。また、1本だけのこよりもいう。かんぜこより。かんじんより。かんぜんより。 [補説]観世大夫と関係づける説が多いが未詳。
かんぜりゅう【観世流】
1 能のシテ方の流派の一。大和猿楽結崎座 (ゆうざきざ) の流れで、幕末までは観世座といった。観阿弥清次を流祖とする。江戸時代には四座一流の筆頭とされた。 2 能の小鼓方の流派の一。16世紀中ごろに、宮増弥左衛門親賢と観世彦右衛門豊次が創始。代々、観世新九郎を名のることが多い。 3 能の太鼓方の流派の一。音阿弥の子、観世与四郎吉国を流祖とする。左吉流。 4 能の大鼓方の流派の一。昭和61年(1986)宝生練三郎派が観世流と改められた。