かずらおうぎ【鬘扇】
能で、鬘物 (かずらもの) (三番目物)のシテが用いる扇。黒骨・端紅 (つまくれない) の絵扇。
かずらおけ【鬘桶】
能や狂言の小道具で、高さ約45センチ、直径約30センチの黒漆塗り蒔絵 (まきえ) の円筒形の桶。本来は腰掛けとして使い、歌舞伎でも流用する。腰桶。かつらおけ。
かずらおび【鬘帯】
能の装束で、幅3センチ、長さ2メートルくらいの装飾的な帯。鉢巻きのように、鬘の上から締めて、後ろで結んで垂らす。女役の扮装に用いる。鬘鉢巻。かつらおび。
かずらし【鬘師】
鬘を作る職人。かつらし。
かずらした【鬘下】
⇒鬘下地 (かずらしたじ)
かずらしたじ【鬘下地】
《「かつらしたじ」とも》 1 江戸時代、役者が鬘をかぶりやすいように床山が結った髪形。 2 銀杏返 (いちょうがえ) しをきわめて低く結った髪形。楽屋銀杏。
かずらはちまき【鬘鉢巻】
⇒鬘帯 (かずらおび)
かずらひげ【鬘髭】
ほおからあごにかけて鬘をつけたように黒々と生えているひげ。「—とかいふ頰 (つら) つき、心づきなくて」〈源・椎本〉
かずらもの【鬘物】
能の分類の一。女性をシテとする曲で、特に狂女物などを除いた優美・幽玄なもの。正式な番組の三番目に置かれる。「井筒」「杜若 (かきつばた) 」「熊野 (ゆや) 」など。三番目物。女物。かつらもの。