事もなし
1 何事もない。無事である。「すべて世は—・し」〈上田敏訳・海潮音・春の朝〉 「—・く生き来しものを老いなみにかかる恋にも我 (あれ) はあへるかも」〈万・五五九〉 2 無難で欠点がない。非の打ち所もなくすばらしい。「人にはぬけて、才 (ざえ) なども—・く」〈源・若菜上〉 3 これということもない。平凡である。「—・き女房のありけるが」〈著聞集・一六〉 4 わけもない。容易である。たやすい。「あづま琴をこそは、—・く弾き侍りしかど」〈源・手習〉
事よろし
《「よろし」は、まあまあよい程度をいう》 1 たいしたことはない。差し支えがない。「—・しき時こそ腰折れかかりたる事も思ひつづけけれ」〈更級〉 2 かなりよい。相応である。「この殿の亭の前を—・しき女の通りける」〈十訓抄・七〉
事を起こす
1 事件を引き起こす。「—・して人を騒がす」 2 重大なことを始める。「今が—・す時期だ」
事を欠く
1 必要な物がなくて不自由する。不足する。「毎日食べる物にも—・いている」 2 ほかに適当なことがあるはずなのに、よりによってこんなことをする、という非難の気持ちを込めていう言葉。「言うに—・いて嘘八百を並べる」
事を構える
争い事を起こそうとする。事を荒立てる。「境界のことで隣家と—・える」
事を好む
1 事件が起こるのを好む。変わったことが起こるのを待ち望む。「穏健で、—・まない」 2 風流を好む。一風変わったことを好む。「妻 (め) なむ若く事好みて」〈源・夕顔〉
事を分ける
筋道を立てて詳しく説明する。条理を尽くす。「—・けて話せばわかってもらえる」
異にする
1 別にする。ちがえる。「趣を—◦する」「考えを—◦する」 2 際立って特別である。「幼時から才を—◦した秀才」
ことほぞんほう【古都保存法】
「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」の略称。京都市・奈良市・鎌倉市その他政令で定める市町村が対象となる。昭和41年(1966)施行。