1. 古い都。昔の都。旧都。「—奈良

  1. 古都保存法および明日香村法に基づいて、わが国の往時政治文化の中心等として歴史上重要な地位を有する都市として指定された市町村。京都市奈良市鎌倉市逗子市斑鳩町天理市橿原市桜井市明日香村大津市の10市町村が指定されている。

[補説]作品名別項。→古都

古渡 (こわた) り」に同じ。

《「事 (こと) 」と同語源》

  1. 口に出して言うこと。言葉。現代では多く複合語として用いられる。「泣き— (ごと) 」「わび— (ごと) 」「片—」「一—多い」

    1. 「旅といへば—にそ易き少なくも妹に恋ひつつ術 (すべ) なけなくに」〈・三七四三〉

    1. ㋐言葉で表現された事柄内容

      「たらちねの母の命 (みこと) の—にあらば年の緒長く頼み過ぎむや」〈・一七七四〉

    2. ㋑うわさ。評判

      「心には忘るる日なく思へども人の—こそ繁き君にあれ」〈・六四七〉

    3. 詩歌。特に、和歌

      「この歌は、常にせぬ人の—なり」〈土佐

  1. 体系としての言語。

    1. 「唐 (もろこし) とこの国とは、—異なるものなれど」〈土佐

《「言 (こと) 」と同語源》

「もの」が一般に具象性をもつのに対して、思考意識対象となるものや、現象行為性質など抽象的なものをさす語。
  1. 世の中に起こる、自然または人事の現象事柄。出来事。「—の真相」「—の起こり」

  1. 大変事態重大な出来事。「失敗したら—だ」「ここで—を起こしたら苦労が水の泡だ」

  1. 仕事用件。「—をなしとげる」

  1. 物事状態経過。また、それを中心とした事情。いきさつ。「—を見守る」「—と次第によっては許さないでもない」

    1. 行事儀式

      「夜いたう更けてなむ、—果てける」〈・花宴〉

    2. 生命

      「いみじき—の閉ぢめを見つるに」〈・幻〉

    3. 言外了解されている、ある事柄。例のこと。

      「この僧、彼の女に合宿して、—ども企てけるが」〈著聞集・二〇〉

    4. 食事。特に、僧の夜食

      「ある人、—をして贈りたりけるに」〈著聞集・一八〉

他の語句をうけて、その語句の表す行為事態を体言化する形式名詞。
  1. 行為。仕業。「つまらない—をしでかしたものだ」

  1. ある対象関連する事柄。「映画の—は彼が詳しい」「後の—は君に一任する」

  1. 心情動作の向かっている対象。「君の—が好きだ」「家族の—を大切にする」

  1. 言葉の内容意味。「君の言う—はわからないでもない」

  1. 文章の段落などの題目。「イソポが生涯の—」

    1. ㋐(「…ということだ」「…とのことだ」などの形で)噂。伝聞。「彼も結婚したという—だ」

    2. ㋑(「…ことがある」などの形で)場合。「ときどき郵便物が返ってくる—がある」

    3. ㋒(「…ことがある」などの形で)経験。「アメリカなら行った—がある」

    4. ㋓(「…ことはない」などの形で)必要。「そこまでしてやる—はない」

    5. ㋔(「…だけのことはある」などの形で)価値。「専門家に任せただけの—はあって、見事な出来だ」「わざわざ出かけただけの—はあった」

    6. ㋕(「…のことだ」などの形で)ある言葉の指し示す対象である意を表す。「九郎判官とは源義経の—だ」

    7. ㋖(「…ことにする」「…こととする」などの形で)決定する意を表す。「やっぱり田舎に帰る—にするよ」

    8. ㋗(「…ことにしている」などの形で)意図的な習慣にしている意を表す。「毎朝ジョギングする—にしている」

    9. ㋘(「…ことになる」「…こととなる」などの形で)結果的にそうなる意を表す。「今度会談で、国際情勢は新たな局面を迎える—になった」

    10. ㋙(「…ことになっている」などの形で)既に規則予定で、そう決まっている意を表す。「法律弁償しなくてはならない—になっている」「来秋から留学する—になっている」

    11. ㋚(「…ことだ」などの形で)話し手自身の判断に基づいた進言忠告である意を表す。「入院を機に、ゆっくり休む—だ」「彼にはよく謝っておく—だな」

    12. ㋛(「…をこととする」などの形で)その行為没頭していること、それを当面仕事としていることを表す。「晴耕雨読を—とする」

      「銭積もりて尽きざるときは、宴飲声色を—とせず」〈徒然・二一七〉

  1. それに関して言えば、の意を表す。「私—この度転居致しました」

  1. 通称雅号などと本名との間に用いて、両名称の指す人物同一であることを表す。「楠公 (なんこう) —楠木正成」

  1. 活用語の連体形に付いて句を体言化し、そこに述べられた事柄をきわだたせる意を表す。「未来予知する—ができる」「走る—は走るけれど、遅い」「間もなく帰る—と思います」

  1. 10 形容詞・形容動詞の連体形に付いて、その状態強調する意を表す。「長い—お世話になりました」「不思議な—にからだが宙に浮いた」

  1. 11 「の」を介して程度を示す副詞に付き、さらに強調する意を表す。「なおの—悪い」「いっその—やめたらどうだ」

  1. 12 (多く「…ごと」の形で用いる)

    1. 動詞の連用形、名詞、形容動詞の語幹に付いて、事柄としての行為状態を表す。「考え—」「悩み—」「色—」「きれい—」

    2. ㋑真似をする遊びであることを表す。「まま—」「鬼—(=鬼ごっこ)」

  1. 13 活用語の連用形に付いて、句を体言化する。→こと[終助]

    1. 「呉人が西施をくせ物と云ひ—は無益なり」〈中華若木詩抄〉

[名]
  1. 別のもの。他のもの。

    1. 「下の十巻を、明日にならば、—をぞ見給ひ合はするとて」〈・二三〉

  1. 名詞の上に付いて複合語を作り、別の、他の、などの意を表す。「—どころ(異所)」「—ひと(異人)」

[形動ナリ]
  1. それぞれ別々なさま。まちまちなさま。→異なる

    1. 「もろこしとこの国とは、言 (こと) —なるものなれど」〈土佐

  1. 普通と違っているさま。格別なさま。→殊 (こと) に

    1. 「この皇子 (みこ) 生まれ給ひて後は、いと心—に思ほしおきてたれば」〈桐壺

  1. 箏 (そう) のこと。箏が流行弦楽器となった江戸時代以後、特にいわれる。近年は「琴」の字を当てて、箏を表すことも多い。

  1. 日本で、弦楽器総称。「琴」の字を当てたが、のち「箏」の字も用いた。琴 (きん) 箏 (そう) 和琴 (わごん) 百済琴 (くだらごと) 新羅琴 (しらぎごと) などのすべてをさす。

[名](スル)一時しのぎにごまかすこと。その場を何とか取り繕うこと。「失態を—する」
[副]未然形に「ば」のついた仮定条件を表す句を導き、どうせ(…なら)、同じ(…なら)、の意を表す。
  • 「—放 (さ) けば沖ゆ放けなむ湊より辺 (へ) 付かふ時に放くべきものか」〈・一四〇二〉
[補説]助動詞「ごとし」は、この「こと」に形容詞を作る接尾語「し」のついた「ことし」が濁音化したもの。
[終助]《形式名詞「こと」から》活用語の連体形に付く。ただし、形容動詞・助動詞「だ」には終止形にも付く。
  1. 感動を表す。「まあ、きれいに咲いた—」「大変人出だ—」

  1. 質問の意を表す。「お変わりありません—」「これでいい—」

  1. 同意を求めたり、勧誘したりする意を表す。「皆さんもそうお思いにならない—」「そろそろいらっしゃいません—」

  1. (「ことよ」の形で)婉曲 (えんきょく) な断定を表す。「気を遣わなくてもいい—よ」「学生らしくない—よ」

  1. 命令注意の意を表す。「明日までに用意する—」「大声を出さない—」

[補説]文を止めて感動を表す用法が終助詞化してできたもの。5を除いては、主に女性の会話に用いられる。

川端康成小説昭和37年(1962)刊行京都舞台に、生き別れになった双子の運命を描く。昭和38年(1963)、中村登監督により映画化され、第18回毎日映画コンクール撮影賞受賞。

出典:青空文庫

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