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・・・ 従って、収監されていた首魁共は、裁判所へ引っ張り出された。その結果は、彼等は、「誰か痛快におっ初めたものだな!」と云う事を知った。彼等は志気を振い起した。 残っていた連中も、虱つぶしに引っ張られた。本田家の邸内を護衛していた、小作・・・
葉山嘉樹
「乳色の靄」
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・・・この一条については下士の議論沸騰したれども、その首魁たる者二、三名の家禄を没入し、これを藩地外に放逐して鎮静を致したり。 これ等の事情を以て、下士の輩は満腹、常に不平なれども、かつてこの不平を洩すべき機会を得ず。その仲間の中にも往々才力・・・
福沢諭吉
「旧藩情」